戦時の父の足跡たどる元英軍捕虜隊長の子息 因島に追体験と交流の旅

太平洋戦争下の因島三庄町にあった捕虜収容所に収容されていた英国兵捕虜のハロルド・プリチャード隊長(准尉)の子息イアンさん(69)=写真右=が4月25日、因島を訪れ、亡き父の足跡をたどる追体験と交流の旅になった。

まっさきに向かったのは因島土生町にある、捕虜たちが強制労働に就いていた日立造船因島工場だった。工場関係者の案内で英兵捕虜が働いていたと思われるドックを見学。イアンさんが持参した、父ハロルドさんが書いた日記を見せながら工場関係者に説明し、そこで記念撮影をした。

つづいて、ゆかりのある石田昇さん(80)らとの交流会場である、因島三庄町の老人介護福祉施設「しまなみ苑」に向かった。石田さんは捕虜収容所前に家屋があり、隊長のことをよく覚えているという。

また同苑庭にある、日英同盟百周年を記念して植樹された「イングリッシュ・オーク」を見学した。

昼食後、収容所跡地を訪ねたあと、解放された英軍兵が海水浴を楽しんだ因島三庄町の折古の浜に向かった。イアンさんは、写真で見ていた当時と変わらない海岸の風景に父を偲んで思わず涙ぐんでいた。

そして浜辺を歩きながら記念に持ち帰ろうと貝殻を拾った。最後に、死亡した英軍兵たちを手厚く葬った、近くにある無量寺を訪れた。

記念碑建立願う

父が解放されて本国に帰ってきたのはイアンさんが6歳の時だった。だが父はほとんど戦争体験を家族に話さないままに1970年に亡くなった。63歳であった。

わずかであるが鮮明な記憶として残っていることがふたつあるという。父から聞いた日本語、「イチ、ニー、サン…ジュウ」と「アリガトウゴザイマス」。そして、「もう一度、因島に行って見たい」としきりに話していたことである。

イアンさんは、父不在の6歳までの間になにがあったか調査を思い立った。やがてロンドンの国立公文書館で父の日記・記録簿と写真2枚を発見した。

福山市在住の国際交流ボランティア小林晧志さんを探し当て交流を始めた。2年近くの時を経て、亡き父の足跡をたどる追体験と交流の旅が実現した。

イアンさんは因島を発つにあたって、因島で死亡した兵士たちの名を刻んだ記念碑が建つことを願っており、それに記す英文は自ら起草したいと語った。その時は、再び因島を訪れたいとも話した。

捕虜収容所のあった尾道市向島町には、2002年に町をあげて建てられたモニュメント「時の翼」がある。

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