第20回外国人日本語スピーチ大会 因鉄から研修生タイさん出場

新型コロナウイルス感染拡大の影響により3年ぶりの開催となった「第20回外国人による日本語スピーチ大会」が15日、尾道市役所2階多目的スペースで行われた。6カ国8人の出場者は、窓から見える穏やかな光る海の景色に感動しながら、5分間のスピーチを日本語で披露した。

因島からはベトナム出身のグエン・フー・タイさん(因島鉄工)がトップバッターとして出場=写真㊤。タイさんは、2018年11月に初めて来日、同社で3年間の研修を終えてから、2022年11月に再来日。趣味はバレーボールをすることと歌を歌うこと。近くの重井中学校体育館で仲間と一緒にバレーボールを楽しんでいるという。夢はスポーツ器具店のオーナーになることだという。

因島鉄工(株)ではベトナム出身5人、インドネシア出身2人の研修生が日本語を勉強している。「日本語検定試験」にも意欲的にチャレンジしているという。(スピーチ内容は当記事後半に掲載)

出場者は次の通り。

アレクサンドラ・プラスネック(アメリカ・外国語指導助手)▽レアンドル・ピンチョン(フランス・尾道高校AFS交換留学生)▽アディオラ・チェイス(トリニダード・トバゴ外国語指導助手)▽張永奇(ちょうえいき・中国内モンゴル・尾道市立大学)▽トーマス・ホレツキ(イギリス・外国語指導助手)▽ファム・トウ・ハオ(ベトナム・エヌシーエスジャパン勤務)▽ギャビン・ヤング(アメリカ・英語講師自営業)。

発表後、一人ひとりに表彰状が手渡された。その後、中国伝統芸能「変面ショー」が披露された。

タイさんの応援に因島鉄工社長・社員・研修生がかけつけた。

「私の実習生の旅」

因島鉄工(株)グエン・フー・タイ

皆様こんにちは!私はグエン・フー・タイともうします。今年31才になりました。ベトナムの南部から参りました。私は現在、因島鉄工株式会社で4年目になります。

本日は、私の実習生の旅について話していきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

これまでの人生で一番後悔したことは、日本に出稼ぎに来たことです。「日本がつらい」「日本が嫌い」、日本実習生を絶対にお勧めしたくないと思った自分がいました。

しかし歩んだ道を振り返ると、この実習生の旅は夢のように、あっという間に3年が経ちました。

3年間という短い期間ではありますが、多くの失敗をし多くの困難を経験し、生活の中の光と影をしみじみ味わいました。

私は希望に満ち溢れて2018年11月に日本に来ました。私の日本語のレベルが低くて、日本の生活に慣れるのが非常に難しかったです。たった1ヶ月で5キロ痩せました。あの時は道を間違えたと思いました。

11月に来日してから寒さはきびしくなり、仕事は最初は何も出来ませんでした。すべて上司や先輩に教わりました。何回も失敗しましたが、皆が「大丈夫、大丈夫」といいました。このように怒られたりせめられたりしないのに、逆に私はプレッシャーを感じました。

料理は日本のとベトナムのはちがう。特にベトナムの料理はナンプラーがかかせません。そして面白いことは、ナンプラーは魚で出来たしょうゆなのに、さしみを食べられないことです生の魚を食べられませんでした。でも今は美味しいと思うようになりました。回転ずしにも行きました。

日本語はパパさんに教わりました。仕事、食べ物、言葉はこうしてだんだん慣れてきました。

コロナの時期でしたが、会社の旅行へも2回行きました。山口では海まで続く赤い鳥居と雪を経験しました。道後では温泉に入り金毘羅さんでは長い階段を上りました。

2年目から、日本での仕事や生活にも慣れてきました。2年間働いた後、両親のために小さな家を建てるという私の目標を達成した時、とても幸せでした。何でもないけど、こんな偉業を成し遂げたことをほこりに思いました。

最も幸運なことは、実習生の生活を大切にする良い会社に出会うことです。

幸運に因島鉄工株式会社に選ばれたことは、とても嬉しくて幸せと思っています。人間の一生に父親と母親は一人しかいないと思っていたが、この国では第二の両親がいます。私たちはたいてい「パパさん」「ママさん」と呼んでいます。日本語教室で教えてもらっただけではなく、生活全般のお世話をしていただきました。パパさんとママさんに感謝したいです。本当にありがとうございます。一生忘れません。

帰国してから、労働者を外国に派遣する会社に勤務しました。でも本当にいつも心の中では日本とその人々を思い出していました。

3年間はあっという間だけど、思い出がいっぱいです。そして、ベトナムの仕事は長い時間働いても日本のように残業手当は付きません。パワハラもありました。それで落ち込んでいた時、母に止められたけどまた日本に戻ることにしました。(2022年10月)

会社の助けを抜きにしては夢や目標を描くことはできません。みなさんの優しさに応えてもっと頑張ります。

はじめに日本に来ることが一番の後悔と言いましたが、二度もまた日本の因島鉄工に来られて本当に良かったと思います。相変わらずコロナで大変な毎日ですが、一番大切な「心と心」笑顔を忘れず頑張っていきたいと思います。

皆様、ご清聴ありがとうございます。

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