ふるさとの史跡をたずねて【298】波止寄付録(尾道市因島重井町東浜)

波止寄付録(尾道市因島重井町東浜)

重井郵便局の北に海がある。右側の海沿いの道を北にまっすぐ歩くと「波止寄附録」と書かれた大きな記念碑に突き当たる。島四国87番長尾寺の近くである。その先は海で、小細島、細島が見える。左に湾口を半分ほど塞ぐように波止めの石垣が組まれている。波止(はと)である。この波止の建設費の寄付録であって完成記念碑ではない。とはいえ、そう書いてないだけで同じことである。小さな字で多くのことが書かれているので、ここで紹介するのがはばかられるが、興味ぶかい一部を記す。

明治23年の秋に完成して石碑が作られている。村費と個人の寄付によるのはこれまで紹介した道路改修碑と同様であるが個人の記載が多く、当時の村のようすが伺われる。

細島の住人の名があるから、細島航路の船着場が既にここにあったことがわかる。また、村外の人の名もある。向島の吉原大作氏は重井村の元戸長である。椋浦、尾道、忠海などの人は頻繁に荷物を運んでいた船の持ち主だろうか。あるいは当時停泊滞在していた漁業者もいたのかもしれない。

石工として西面には三庄村光法佐太郎、中庄村田頭岡左ヱ門、田熊村岡野綱次とあり、東面には三庄村篠塚音松とある。西面の3人が工事を担当した石工で、東面の篠塚さんはこの石碑の製作者だと私は考える。

写真・文 柏原林造

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