「社会を明るくする運動」入選作文【4】再犯を減らすためにコロナと差別から考えたこと

尾道地区保護司会(村上俊昭会長)が行った第71回「社会を明るくする運動」作文・標語コンテストで表彰された作文を掲載する。

再犯を減らすためにコロナと差別から考えたこと(小学校の部 尾道市入選作品)

因島南小学校6年 岡田健太さん

犯罪を起こした人が、再犯をするのかどうか気になったのでインターネットで調べてみた。法務省の犯罪白書によると令和元年の再犯者率は48.8%で過去最高だったそうだ。初犯者が減っているからとはいえ思ったより多くておどろいた。また、そのホームページによると「無職であった人の再犯率が29.8%で有職であった人の7.5%と比べて4倍にもなっていて、社会内における職の有無が再犯率と関係している」としていた。なぜ、職の有無が再犯率と関係しているのだろう。

この春、僕の学校でコロナウイルスに感染した児童がいたらしい。いたらしいというのは、誰が感染したかということを知らされなかったからだ。もし、誰が感染したかが「バレて」しまえばその児童を「犯人」扱いしていじめの原因になることを心配したのだと思った。少なくとも僕のクラスではそのようなことは起こらないと思ったけど、実際に他の学校ではコロナに感染した人に対するいじめや差別もあったと聞いた。人をばい菌やウイルスのように扱うのはいじめの常とう手段だ。絶対にしてはいけないことだと思う。

十分に気を付けていてもコロナに感染してしまうのは今の時代仕方ないことだと思うし、何も悪いことではないと思う。それでも、感染した人は学校でなんとなく居心地が悪く肩身の狭い思いをしたのではないのだろうか。何も悪いことをしてなくてもそうなのだから、実際に悪いことをした人ならばどうだろう。職場や社会でもっと居心地が悪いし肩身が狭いに違いない。それどころか、自分がここにいること自体つらいと思ってしまうのではないだろうか。また、周りの目は冷たく感じるだろう。そうすると人の目を避けて閉じこもりたくなる。とてもこ独だと思う。

もちろん、罪を犯したらその罪をつぐなわなてくはいけない。でもしっかり罪をつぐなったら、職場や社会で自分の存在が許される場所がないといけないと思う。なぜなら周囲の目がつらくなり、こ独になり、そしてまた悪いことをする、つまり再犯を犯すのが一番やってはいけないことだからだ。まさに負の連鎖、悪循環、最悪だ。それだけは避けなくてはいけない。

しかし、簡単なことではないかもしれない。僕だって、隣に「以前人を殺しました。でも罪はつぐないました。」って人がいたら正直ちょっと怖いと思ってしまうだろう。

それに、もし僕が犯罪被害者やその家族だったら、犯罪者の就職支援に素直に賛同できるか自信がない。被害者の感情も忘れてはいけないと思う。

しかし、それでもやはり犯罪者の職を支援することは必要なことだと思う。なぜならそれが、再犯を減らすことになり、社会を明るくすることにつながるからだ。再犯を減らすためには、お金や住むところがあることももちろん大事だけど、一番大事なのは自分の存在が許され認められる居場所があることだと思う。もっと言うならほんとうに必要なのは職だけではなく、過去に罪を犯していても「社会の邪魔者じゃなくて必要とされているよ」という空気感や雰囲気みたいなものではないだろうか。

僕は「人は変われる」と思う。実際、僕やクラスの友達もこの小学校の六年間ですごく変わったと思うし、これからも成長できると思う。たとえ罪を犯したとしても、「人は変われる」はずだ。犯罪者だからと言ってなんとなくバカにしていい、のけ物にしていいと思う意識はまさにいじめであり差別に他ならない。人種や肌の色や性別で人を差別してはいけないのと同じように、過去にコロナにかかったことや、犯罪をしたことで人を差別してはいけないと思う。そこには悲しみしか生まれない。

僕ひとりにできることは限られている。しかし、僕たちひとりひとりが犯罪者に対し「人は変われる」と信じ、少しだけやさしい気持ちをもち差別意識をなくそうと努力することはできるはずだ。ひとりひとりの力は小さくても、それがやがてみんなの力になれば大きく強いものになる。再犯が減り、犯罪のない明るい社会になればいいと思う。

第71回「社会を明るくする運動」作文・標語コンテスト 表彰者の皆さん

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