尾道地区保護司会「社会を明るくする運動」入選作文【9】「小さな一歩は大きな進歩」

尾道地区保護司会(小川曉徳会長)が行った第66回「社会を明るくする運動」作文・標語コンテストで表彰された作文を掲載する。

「小さな一歩は大きな進歩」

長江中学校3年 山中凛々さん

私の乗っているバスには一人怖いおじさんがいる。そのおじさんは、高校生が大声で話したりしていると、すぐに睨みつけ、時には叱る。私もよくそのバスに乗るが何度か怒られた。私が中学1年生の時の話だ。友達と一緒に乗っているバスで話していると、おじさんは乗車してきた。そして、私達の方を見ると、

「今どきの子は本当にマナーが悪いよな。」

と嫌みを言われた。その後も何度か叱られたことはあった。それに、私はおじさんが注意をしていたり叱っている姿しか見たことがなかった。正直この頃は、おじさんのことを少し鬱陶しく思っていたと思う。けれど、私はある出来事からおじさんを見る目が変わった。それは、中学3年生の春、進級したばかりの頃だった。高校生の団体がバスに乗っていて、そんなに人数は多くないけれどもその高校生たちは1人2席、みんなとっていた。何人かの人は私が乗車する前から立っていて中にはお年よりの人もいた。私は、その高校生を「みっともないなぁ」と思ってみていた。すると、いつものおじさんがいつものバス停で乗車してきた。私は、「おじさん、また叱るんだろうな」と思っていた。だけど違った。おじさんは

「立っているお年寄りの人を座らせてあげてくれないか。」と言った。

それを聞いた私は、本当にびっくりした。そして、それからというもの、おじさんのことを少し意識して見るようになった。そこから、おじさんがゴミをポイ捨てする高校生に叱っていたり、大きな声で話している高校生に注意していても全く鬱陶しいとは思わなくなった。そして、マナーが悪い高校生もそうだが、それを注意できない自分もみっともないと思えてきた。そして、自分にできないことをするおじさんが、何だかかっこよく見えた。

私は、この体験で、そのおじさんは自分のことを思って叱ってくれていると考えられるようになった。また、おじさんのように人の事を思って注意できる人になりたいと思った。私は、このことがあってから、おじさんと会ったらあいさつをするまでの仲になった。

変わったことはもう一つある。私は最近バスの中で、私語をしないようにしている。一人がやめるともう一人、一人と私語をする人がへっていった。私は、人格的にもあまり人に注意できる方ではないけれど、自分が行動で示すことは、社会をよりよくする小さな一歩につながるのではと思う。そんな小さな一歩も広がれば大きな一歩、そして進歩になるのではないか。いつか私がおじさんのことを尊敬して、マナーを守ることを心がけたように、私を見て、小さな子がマナーを身につけてくれればいいなと思う。社会をよりよくするためには、まず自分が行動し、よりよい選択をすることが大切だと分かった。

山中凛々さん

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