時代的背景を紡ぐ 本因坊秀策書簡【65】本因坊家の台所事情(1)

 本因坊家は碁界の最高峰とはいっても、幕府から受けていた五十万石二十人扶持の家禄だけでは一門が食べてはいけなかったようです。本所相生町にあった本因坊家には、十二世本因坊丈和名人後妻勢子、十四世本因坊秀和夫妻、跡目秀策夫妻のほか住み込みの門人10数人に丈和や秀和のこどもたちが同居していました。こうした事情のなかで秀策が安政6年12月11日(1859)付で郷里因島の父親に宛てた手紙が残っています。

 別紙申し上げ侯。此の度東灰屋より目貫か小刀か両様の内、頼み越し侯に付、小刀買取り相送り申し侯。右代金拾三両私払い置き灰長より請取り申すべき処、久々御無沙汰仕り侯付呈上仕り侯間、灰長より御請取り下さる可く侯。明春御状下され侯節此の儀は書中え御認め之れ無く侯ても宜しく御座侯 尊書は妻も拝見致したがり申し侯間万事申し上げ侯事斗りにて宜しく侯。東灰屋より御請取りの節同人え請取書御渡し成され右を同人より相届き侯様御計り下さる可く侯。御手元悪しき儀は私も存じ居り侯得共、私も不都合故御無音多く恐れ入り申し侯。御状には成る丈け御手元の儀御申し越し之れ無き様願い上げ侯。御手元の悪しき儀は一同存じ居り侯得共本因坊も手元宜しからず、厄介も多々、私より送金仕り侯儀成る丈け外え知らせ度く之れ無く侯間右の噂御含み下さる可く侯。
 先生名人一件安井、林承知、添願致し侯積り也、因碩、仙得不承知、何れ当月中頃までには寺社奉行え願書差し出し候積りに御座候 勝負さへ打ち候得ば師匠の業に候間、勝ち申すべく、何卒故障之れ無き様仕り度く、祈る処に御座侯。

 この手紙は秀策が東灰屋(橋本長右衛門)に依頼された小刀を送るときに父に送金したことを伝え、併せて本因坊家の暮らしも楽でなく幕末騒然としてきた江戸城下を知らせています。物価は高騰、貨幣価値は日増しに下落、本因坊家と故郷の桒原家の経済状況についても心を砕いている。父からの送金依頼についても妻花に内密に行なわれていたようで「御手元悪しきは存じあげ居り候えども…成る丈申し込み無きよう」と願っており「本因坊も手元宣しからず。私より送金したことは外へ知らせたくないのでお含み下さい」とある。
 さらには、父からの手紙は妻花が見たがるので送金のお礼状など別途送ったものについては書かないでほしい―と本因坊家に気をつかっている。それにしても実家の経済まで陰ながら援助していたわけで碁界の勝負の世界に生きながら一門の経済面まで気を配っていた一面をうかがい知ることができます。
(庚午一生)

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