菅首相と参院選 

掲載号 10年06月19日号

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 孫子の兵法に「三十六計逃げるに如かず」という項目がある。国会は与党が本会議をボイコットして会期切れ。積み残し議案を廃案にして参院選に突入するという前代未聞の策。

 国民の目から見れば論戦をさけて逃げたと判断を下した人は多いと思われる。もっとも菅直人首相は一瞬に下落する世論調査を信じて形振(なりふり)かまわず政治決戦に臨んだ。背に腹は代えられぬ―とニンマリ笑った菅さんの顔は国民をバカにしたように写った。

 鳩山由紀夫前首相の退陣劇により審議が2週間近く空転した。せめてその分の会期を延長するのが筋で国民新党の「一丁目一番地」である郵政改革法案のタナざらし、廃案という党首の約束違反をしないですんだかも。

 ともあれ、国民の関心は6月24日告示、7月11日投開票の参院選。しかし後をふり向けば成立した法案は59.9%で過去最低。民主党が掲げたマニフェストも廃案や継続審議に追い込まれた。異例ずくめで閉幕した政治をどう評価すればいいのだろうか。

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