因島市花「除虫菊」 今後の活動に思案投げ首

掲載号 09年05月16日号

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 初夏の島々を彩る段々畑。かつて白い絨毯(じゅうたん)で覆いつくされた瀬戸内海島しょ部の除虫菊栽培は全国有数の産地だった。

 10月に種をまき、翌年3月に苗を移植、さらに翌年の5月になってやっと開花する。成育期間は約20ヵ月。この間、除草、施肥、消毒、花摘み、乾燥…と、作業を繰り返す。多年草で蚊取り線香や殺虫剤の原料として重宝がられ全盛期には「除虫菊御殿」も建った。

 それも科学薬品の普及で衰退。今では栽培農家はなくなったが、平成の合併まで因島の「市花」として観光農園をボランティアグループが継承してきた。現在、因島観光協会の依頼もあって重井町馬神に20アール、因島フラワーセンター前24アール、白滝山フラワーライン3アールの3ヵ所で栽培されているが、鉢植えや生花に向かず群生の観賞が終ると後処理が大変。

 近年になって犬や猫などペットのダニ防止用に栽培できないものかという問い合わせが全国から寄せられるようになったというが、今後の活動に思案投げ首のようだ。

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