ふるさと往来【3】地域に役立ちたい 漢字書家・好本公美(李霞)さん(67)
掲載号 09年05月02日号
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漢字を中心に書に描く漢字書家への歩みのきっかけは、古里の因島市立椋浦小学校の教育であった。それぞれの個性を伸ばす指導が行われていたという。そして昨年夏、病床の母を長女として看病するためにふるさとにもどってきた。
大阪に出たのは二十代であった。会社の行き帰りだけでは味気ないと思ったら書道教室に足が向いていた。そこの先生は、その分野で日本の第一人者である村上三島さんであった。
村上さんは文化勲章受章者、日本芸術院会員。愛媛県大三島上浦町出身で多々羅大橋の近くに、書専門の日本一大きい記念館が建てられている。
約四十年間にわたり日展に出品をつづけ現在は、会友である。ほかに読売書法展、日本書芸院、日本の書展に毎年出品する。書の基本は臨書(手本を見てかくこと)にあると語る。とりわけ中国。晋の時代の「王義之(おおぎし)」の文字に魅かれる。
午前中は書に取り組み、午後は野菜や花の土いじりの日々である。椋浦町での書道教室も考えはじめている。楽しく実用書道から始めたい。
来年、出身校である三庄中学校が閉校となり、因島南中学校が開校になるが、そのことにも貢献できればと想う。趣味はカメラ。