県立瀬戸田病院 中途半端な有床診療所よりも「老人保健施設」に

掲載号 07年11月10日号

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 少子高齢、過疎化の波が地方公共医療施設の存廃を揺れ動かしている昨今。尾道市と合併した瀬戸田町も例外でない。毎年度約2~3億円の赤字経営を続ける県立瀬戸田病院の移管を公募して県内の医療法人と調整していたが条件が整わなかった。この間に住民8千人が「総合病院機能の存続を求める」署名を県に提出した。その答えは「有床診療所に縮小。尾道市と協議する」という。

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 一般には耳なれない有床診療所。言ってみれば、入院ベッドが設備された町の”医院”である。住民署名の内容からはほど遠い選択。現在、尾道市内には12の病院と147の診療所がある。そのうち瀬戸田町内に県立病院と民間の4診療所があり、救急重症患者は尾道市の総合病院に搬送されている現状。医師態勢や経営収支などから瀬戸田病院の移管先は白紙と言っていいだろう。

 中途半端な有床診療所よりも、施設不足の「老人保健施設」などに転用する方が住民は喜びはしないだろうかという陰の声もあがっている。

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