県議選3月30日告示 合併新選挙区で審判 争点がないまま終盤へ

掲載号 07年03月17日号

前の記事:“因北中卒業生51人 奥山ダム周辺で植樹 自然愛する会が応援
次の記事: “早いもので美術館10周年と喜寿を迎えた平山郁夫さん

 統一地方選挙の前半戦として30日に告示、4月8日投開票される県議会選挙の説明会が8日、県福山地域事務所であり、尾道市選挙区は予想された5陣営が出席した。

 現職3人、高山博州氏(53)=自民・御調町、松浦幸男氏(64)=自民・因島中庄町、吉井清介氏(48)=自民・吉和町、新人2人金口巖氏(52)=連合広島推薦無所属・栗原町、住田哲博氏(65)=共産・向島町。この候補予定者5人が4議席を争うことはほぼまちがいない。

 しかし顔ぶれが揃ったものの盛り上がりはもうひとつ。争点が浮びあがってこない。藤田雄山県知事への辞職勧告決議が県議会で2度にわたって可決されるという異例の事態があるにもかかわらず、それが尾道市選挙区情勢に反映しているとは言えない。

 松浦幸男氏、高山博州氏の所属する自民党議員会は辞職勧告決議の中心。住田哲博氏の共産党はそれに賛成。吉井清介氏の属する自民党刷新会は反対、金口巖氏が近い民主県政会も反対である。

 こうした不透明な県議会情勢がもたらす投票率への影響が小さくない。さらに尾道市長選挙が無投票の趨勢であること、旧因島市地域において市長選との連動がなくなったことなど、悪条件が揃っている。

 4年前の県議選は、御調郡と豊田郡が無投票であった。投票率は旧尾道市が57.19%、旧因島市が77.7%。御調町、向島町、瀬戸田町での投票率がどこまで上がるか。投票率の動向に各陣営とも神経をとがらしている。新選挙区での選挙戦は初めての各陣営。投票率の地域差がどこまで開くか、その影響がどこまで出るか思案をめぐらす。

 吉井清介陣営は、やはり前回の得票1万4999票が大きな拠りどころになっている。旧尾道市内での突出した力を固めながら、編入合併された地域での上積みをはかる。

 前回無投票で議席を手中にした高山博州陣営。選挙区の再編成で久井町を失ったが、御調町と向島町に加えて瀬戸田町、旧尾道市での勢力挽回をはかる。

 旧因島地域を拠点に6選をめざす松浦幸男陣営。5期の実績をもとに因島―瀬戸田の企業を中心にした選挙戦を展開する。前回は旧因島市選挙区で9724票を獲得。やはり因島・瀬戸田地域での得票に重点がかかるだろう。

 新人の金口巖陣営は、「4位での当選」を合言葉に出遅れの回復をはかる。推薦する連合尾道の組合組織票、出身企業の中国電力・中電工の企業票、前任の木曽真理行議員票、栗原町の地元票の固めに全力投票。

 新人の住田哲博陣営。6000票と言われる共産基礎票をよりどころに県議に挑戦する。教鞭をとった浦崎、吉和、栗原、向東中出身者や向島町での人望への評価は高い。そのうえでどこまで勢いを加速できるか。これからが勝負どころとなるだろう。

(青木忠)

関連書籍

E