第54回本因坊秀策囲碁まつり 全国からプロ・アマ300人 横浜の小学生が3段戦で優勝
掲載号 07年02月03日号
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第54回本因坊秀策囲碁まつりは1月27、28の両日、尾道市因島土生町の市民会館と芸予文化情報センターで全国のアマ・プロ約300人が参加して技量を競い囲碁愛好者の親善を深めた。
初日の27日は優勝賞金百万円の「本因坊秀策杯」出場のエントリー8人を選抜するアマ予選。県内外の高段者19人が応募して熱い戦いを繰りひろげた。別の会場ではプロ棋士9人が四面打ち(同時に4人相手)の指導碁に35人のアマ愛好者が手ほどきを受け「プロと打てた」と満足していた。
幕末の天才棋士・本因坊秀策(1829-1862)にあやかって、囲碁でまちおこしをしようと「市技」という耳慣れない言葉が因島で誕生した。昨年1月10日尾道市へ編入合併したことで、この試みがそっくり継承され、総額約2億6000万円で秀策の生家復元と囲碁資料館(仮称)の建設計画を進めている。
脚光浴びる本因坊秀策
日本棋院創立八十周年記念事業として2004年11月15日オープンした囲碁殿堂資料館に第一回の栄えある殿堂入りしたのは囲碁を「国技」に高めた天下人・徳川家康、近世囲碁史の開祖・初代本因坊算砂、後世碁聖と仰がれる本因坊四世道策と十四世跡目秀策の四人。
殿堂入りを前にして囲碁に縁が薄かった子どもやご婦人層に囲碁ブームの火をつけたのがアニメや漫画雑誌に登場した「ヒカルの碁」さらにNHKBSや「そのとき歴史は動いた」などにもとりあげられるなど脚光を浴び、お宝の掘り出しの様相を呈している。
百万円は林六段 金星逃がす峯松君
囲碁まつり2日目のメインイベントは、プロ・アマ8人ずつが初戦で対局する秀策杯。今回で10回目。プロ優勢のなかで、アマ2人湯浅・東京と日高・埼玉が2回戦に駒を進めた。尾道市因島重井町の峰松(弓削商船高専)は1目の僅差で対プロ初勝利の金星を逃した。
決勝はプロ同士の清成哲也九段(45)=関西棋院=と林子淵(りんしえん=台湾)六段(28)=日本棋院=の対決となった。
対局場は市民会館大ホールの特設ステージ。大盤解説は結城聡九段(関西棋院)聞き手、徳永紗月アマ六段で始まり、白盤の清成九段優勢という解説で投了したが、結果は林六段3目半勝ちで賞金百万円を獲得した
なお、アマ三段戦で横浜市の小学五年平野君(11)が優勝。弟の四年翔大君(9)が六段以上クラスで3勝1敗の好成績で話題をさらった。成績次の通り。
〔本因坊秀策杯プロ・アマ決勝トーナメント〕
(アマ定先、▲=先手)
〔1回戦〕
林子淵六段・日本棋院中押し岩井竜一・岡山市
山田拓自七段・日本棋院目田中伸拓・滋賀県野洲市
村川大介三段・関西棋院中押し大福亘治・尾道市
湯浅英之・東京4目高橋秀夫七段・日本棋院
榊原史子六段・関西棋院中押し大島豊弘・福山市
桐本和夫四段・日本棋院1目峰松昌彦・尾道市因島重井町
日高雅博・埼玉県久喜市8目土井誠八段・日本棋院
清成哲也九段・関西棋院中押し吉松昭三・福山市。
〔2回戦〕
林六段中押し山田七段
村川三段中押し湯浅・東京
桐本四段中押し榊原六段
清成九段4目日高・埼玉。
〔準決〕
▲林中押し村川▽清成中押し▲桐本。
〔決勝〕
▲林3目半清成。
〔アマ・クラス別〕
六段以上
- 井形健一
- 宮脇博文=以上高松市
- 石井大輝=東広島市
- 富田修司=丸亀市
- 岩崎佑哉=呉市
- 梶本幸作=江田島市
- 四宮勝=愛媛県上島町
- 森原眞吾=愛媛県南宇和郡愛南町
- 松富功=倉敷町
- 平野佑騎=横浜市
- 富田基之=赤穂市
- 内海馨=世羅郡世羅町
- 神園敦之=
- 北村英俊=以上福山市
- 楠見宗昭=尾道市因島
- 永尾一=大阪府寝屋川市
- 松田正臣=倉敷市
- 杉野原克利=尾道市
- 金子功
- 渡辺秀城=以上尾道市
- 沖野保=広島市安芸区