ポルノグラフィティ因島運動公園ライブ 救護で支えた因島総合病院スタッフ
9月1日に因島運動公園で開催されたポルノグラフィティの凱旋ライブの救護班は因島総合病院が担当した。
ライブは台風一過の暑さにもかかわらず、全国から集まった約7,000人のファンを迎えた。最大の課題は、猛暑の中での体調管理だった。特に熱中症のリスクが高まる状況下で、因島総合病院スタッフは山本頼正院長を中心に、常勤の医師や看護師が非常体制を整え、救護にあたった。
ライブでは約70名が救護室を利用、救急で3名が運ばれるなど、当初の予想以上に大変であったが、大きなトラブルもなく救護活動を終えたという。
当日の模様は、同病院の「地域連携室だより」に山本院長執筆による「ROMANCE PORNO’24 因島公演の救護班の経験」として詳しく報告され、その内容に大きな反響が寄せられている。本紙では、因島総合病院に転載許可をいただき全文を掲載する。
ROMANCE PORNO ’24 因島公演の救護班の経験
因島総合病院長 山本頼正
※因島総合病院「地域連携室だより2024年vol.35」より転載
去る9月1日に因島運動公園で開催されたポルノグラフィティ因島公演の救護班を当院で担当しました。
当初、当院には今回のような音楽イベントの救護班の経験がなく、また夏場での日中の野外ライブですので、熱中症等で具合の悪くなる方が多いことが予想され、当院の救護班で大丈夫なのか躊躇しました。
しかしながら今回の因島公演は、島ごとぽるの展のメインイベントであり、因島観光協会から依頼をいただき、またポルノグラフィティのお二人は、私を含めた何人かの病院幹部スタッフにとって因島高校の後輩でもあること、当院の職員にも意見を聞いたところ、みな参加に前向きであったことから、喜んでお引き受けすることになりました。
万全の態勢を準備
イベント事務局からは、救護班として1日あたり医師2名、看護師6名の依頼があり、当初は8月31日、9月1日の2日間の予定でしたので、医師は常勤医4名で分担し、看護師は参加を募集したところ希望者が多く、すぐに人選が決まりました。
救護班としての準備は、病院幹部スタッフと複数回の打合せを行い、車椅子や担架、熱中症に対する点滴や救急対応時の薬品、AED等の現地持ち込み、救護室で必要な医療行為が行うことができるように保健所への届出を行い、また病院受診が必要な患者さんが発生したときの病院のバックアップ体制などを決めました。
台風で1日のみの公演に
しかしながら、台風10号による悪天候により、残念ながら8月31日は中止となりましたが幸い9月1日は予定どおり実施されました。
当初、私は9月1日に現地の救護担当で参加する予定でしたが、台風一過の晴天で、日中は猛烈な暑さが予想され、病院への搬送が必要となる参加者が多く発生する可能性がありましたので、急遽中止となった土曜日の担当であった小児科の本間先生と交代し、私は病院で待機することにしました。
9月1日の公演当日の朝9時すぎに救護班全員で病院の正面玄関で記念撮影を行い救護班を送り出しました。
予想以上の救護利用
現地は10時開場で、公演は14時開始ですが、公演開始前から暑さのために具合が悪くなる方が多くいらっしゃり、救護室として使用していた管理棟は常に満床状態で、公演開始後は、管理棟とは別の、公演会場に近いプレハブの救護室も満床となり、クーリング室も使用しての対応が必要で、合計70名近い方が救護室を利用されました。
当院の救護班スタッフも、ライブ中の音楽を聴けることを楽しみにしていたようですが、そのような余裕もない忙しさだったようです。
救護室に来られたほとんどの方は、手当てのあと体調の回復次第すぐにライブに戻っていただくことができました。当院に救急で受診された方は3名で、うち2名の方は、ライブ開始前に具合が悪くなったため、残念ながらライブに参加できませんでした。しかしながら、点滴にて体調は改善され、入院までは至らずに帰宅していただきました。
午後3時頃に公演中の1曲がYouTubeで生配信されましたので、多くの人々で盛況なライブの様子を私も病院内から観ることができました。配信された曲は「Aokage」でした。歌詞で表現されている自転車に乗って青影トンネルを抜けて中庄に降りていく光景は私にとっても懐かしいもので、感慨深く拝見しました。
夜8時すぎに救護班のスタッフの帰院を出迎え、当初の予想以上に大変でしたが、大きなトラブルなく救護班の活動を終えたことの報告を笑顔で受け、私も安堵しました。
因島総合病院の歴史の1ページに
当院は2026年3月末をもって因島医師会病院との統合により閉院することを予定しております。その公表を8月初旬に行い、病院全体の雰囲気がやや沈んでいたところもありました。
今回のポルノグラフィティ因島公演の救護班を担当できたことは、院内での明るい話題となり当院の107年の歴史の1ページとなる活動であったと思います。
貴重な機会をいただきましたポルノグラフィティのお二人、関係者の方々、因島観光協会の方々にこの場を借りて御礼を申し上げます。
また救護班として参加していただきました整形外科の穂積先生、小児科の本間先生、外来看護師の方々、西事務長、暑い中本当にお疲れ様でした。(終)
ポルノ岡野さんからお礼の返信
因島観光協会の岡野憲明専務理事は「キャンディプロモーションからの依頼で因島総合病院を紹介させていただいたが、ライブ当日の詳しい内容は『連携室だより』で初めて知った。裏方でライブを支えた皆さんに感激した」と語る。
因島観光協会では、早速『連携室だより』の紹介記事を観光協会ホームページに掲載したところ、Xで拡散され1万2千件ものアクセスがあった。
観光協会ホームページを見たポルノグラフィティの岡野昭仁さんからXで「心より御礼申し上げます」との返信があると、更に広がりコメントが投稿された。
- 「私も救護室でお世話になりました。先生と看護師さんの連携が素晴らしく、30分ほどで手のしびれも回復してライブを観ることができました」
- 「同じ医療従事者として誇りに思います。」
- 「絶対、来年の秋に因島に行く!」
等々、さまざまなコメントが寄せられている。
ポルノグラフィティ岡野昭仁さんのXより
心より御礼申し上げます。
— 岡野昭仁 ポルノグラフィティ (@OkanoAkihito_pg) September 28, 2024
「地域連携室だより」紙面
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因島総合病院ホームページより
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