79歳老人のフーテン 2023東北の旅【2】

2023年5月10日(水)

午前11時のバスで福山駅に出発した。

福山駅を12時41分に新幹線「のぞみ」に乗り一路東京へ向かう。

東京駅までの景観で気になるのはやはり富士山である。天気も良く頂上付近に雪を頂く富士はさすがに雄大で美しい。東京駅には午後4時過ぎに到着する。

東京では学生時代の友人Sに会い、酒を飲みかわす予定にしている。若い時代の濃密な交流のあった友人である。電話ではたまに話すことはあったが、40~50年ぶりの再会である。

そのSは不思議なことではあるのだが今だに現役で会社に勤めている。その会社は日刊工業新聞で日本橋にある。ということで日本橋に近い八重洲口で待ち合わせることにした。

Sは私が地理不案内を考え「ベル」という店の前で待っていろと指示する。「ベル」は有名な店かと確認するとそうだとのこと。

広い八重洲口をキョロキョロしながら2度ほど往復するが「ベル」なる店は見当たらない。近くの立ち止まっている数人にも尋ねてみるが知らぬという。最後は駅員にも尋ねてみるが同じ答えだ。

Sに何度も電話をかけるがただ今運転中で電話には出られませんが続く。少々イラついているとSから着信があり、今どこにいるとSも探してくれている。そこで八重洲中央口の改札口=写真=の前で待つことにする。

これで大丈夫だと思っていたがSはなかなか現れてくれない。Sに電話するがあいかわらず運転中で連絡が取れない。イライラしていると着信がありどこにいるのだと尋ねる。地理不案内な私には中央口の改札口だという以外の説明の術はない。

困っていると目の前の改札口の監視でJRの若い女性駅員が立っている。これだと思い付き、彼女にスマホを渡しこの場所を電話の相手に説明してくださいとお願いする。快く受け取り3分間ぐらいの長電話であったが説明していた。そして電話を切りもうすぐ来られと思いますとスマホを返してくれた。感謝感謝である。

的は小さくなってきた。しばらくすると小腰を屈めて慎重に伺うように周囲を偵察する風情の男が現れた。こ奴だ。

名前を呼ぶと「オー田中かすっかり変わったなー、これでは会ってもわからねえはずだ」と驚きの声を上げる。この男はさっきから2~3度すれちがっている男である、私も気が付かなかったのだ。お互い変わってしまっているのだ。50年ぶりの再会であるが、お互い脳裏に残っている面影は60年近く昔の学生時代ものであろう。これではたとえ遭遇する機会があったとしてもお互いわからないであろう。

(田中伸幸・因島田熊町旧田中書店)

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