因島で見た野鳥【147】アオゲラ

キツツキ科の1種で、全長29cmで、本連載【51】で紹介したコゲラ(全長15cm)より、2倍ほどの大きさで、ヒヨドリより大きい。屋久島から本州の低地~低山の林に生息し、留鳥で、日本固有種である。

顔から首は灰色で、下面に黒い横斑がある。上面は、黄緑色。顎の赤斑が明瞭で、オスでは額から後頭にかけて赤く、メスでは後頭部が赤い。

写真は、アオゲラのメス。羽衣に青い色はないが、緑色も、日本の古語では「あお」である。

アオゲラ・メス

「キョッ キョッ」と鳴くことがある。因島で初見の種である。

他のキツツキと同様に、木の幹に垂直に止まり、木を突っつき、虫を捕食したり、巣穴を掘ったり、ナワバリの主張などで、いわゆるドラミングをする。

キツツキ類は、顔や頭に赤斑があることが多い。因島に生息しているコゲラのオスは頭に赤斑がある。まだ未確認だが、因島に生息している可能性があるアカゲラは、大きさがコゲラとアオゲラの中間で、オスの後頭部は赤い。オス・メスともに下尾筒が鮮やかな赤色をしており、アオゲラと識別できる。北海道には、アオゲラによく似た羽衣のヤマゲラがいるが、顎の赤斑はない。

ところで、「キツツキ」を実際に見たことがない人でも、ほとんどの人がキツツキの姿を想像できると思われるが、日本に生息するキツツキ科の鳥11種のどれにも、種の名前に「キツツキ」の名称はついていない。アリスイとキタタキ以外の9種は、すべて、「…ゲラ」と呼ばれている。生物学的な意味はないと思われるが、その由来について、菅原・柿澤著”鳥名の由来辞典”(柏書房、2005年5月)

にある項目「きつつき」の概要を以下に述べる。

キツツキ類は、平安時代から”てらつつき”と呼ばれていた。その由来は明確ではないが、俗説では、聖徳太子が大阪・天王寺に四天王寺を建立したところ、太子らとの政争に敗れた物部守屋の霊が鳥になって、寺の柱を突っついて損壊したことによるとされている。室町時代には”けらつつき”と呼ばれ、江戸時代には、”きつつき”あるいは”けら”と呼ばれ、種を区別するために、”こげら”、”あおげら”、”あかげら”…とも呼ばれるようになった。”きつつき”の漢字表記には、啄木鳥、啄木、木啄などがある。

松尾芭蕉・奥の細道に、栃木県の雲巌寺を訪れた際、裏山にある小さな庵(いおり)を前にして詠んだ句がある。

木啄(きつつき )も庵(いお)をやぶらず夏木立

四天王寺と”てらつつき”の故事を想い重ねて詠んだのであろう。(7月21日・記)

写真・文 松浦興一

因島で見た野鳥【51】コゲラ

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