オオバンは、本連載【40】ですでに取り上げたが、全長39cm、全身が黒っぽいクイナ科の一種で、因島には冬鳥として渡来する。単独で来る場合が多いが、複数で来るときには、餌の取り合いや、よく分からない理由で、激しい喧嘩を繰り返す場面や、カップルと思われる2羽が仲良く採餌したり、羽繕いをしている穏やかな姿も見る。

「仲睦ましいシーンの写真」と思って撮ったのが写真①であるが、無粋なペットボトルが写っていて、「残念な写真」となった。

散乱する廃棄ゴミを自然の一部として、無心に採餌する野鳥の姿を見る度に、悲しくなる。

以前、ある池にカモの大群が来ていたが、その群れが一斉に飛び立つシーンを撮る目的で、爆竹を鳴らしていたグループが目撃されている。このような行為はやめて欲しい。静かに野鳥を観て楽しめる、美しい自然環境が残り続く事を願う。

写真②は、水底のレンコンを採って浮き上がったオオバンが、大物ゲットの喜びに酔いしれる間もなく、仲間に見つかって横取りされないよう、急いで物陰へ行こうとしている姿である。

早く！速く！オオバンだけの社会でも、厳しいことはある。（1月21日・記）

写真・文　松浦興一

因島で見た野鳥【40】オオバン

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