故郷への手紙【4】Jazz up

Jazz up

「246から渋谷にぬける
今の僕と何が違うの?
そう考えるとずいぶん
遠くへ来たみたい」

中学生のとき、この曲「Jazz up」と出会った。ポルノグラフィティのアルバムの1曲。
「この歌詞のように遠くへ行きたい」
そう願う日々だった。

島で過ごした学生時代。
行きたい場所、欲しいもの、やりたいこと、会いたい人、鼻から諦めていた。
「どうせ島だから」
いつの間にか、そんな劣等感のような思いが染みついていた。

その反面、漠然とした確信があった。
「私は必ずここから出る」
どこでもよかった。ただ、島から離れなきゃ変わらないという根拠のない確信。

東京で暮らして5年が経った。
この場所は、私に動く力をさらに与えてくれた。生きることの可能性が拡がった。
楽しみや喜びだけでなく、失敗や苦しみも全部ひっくるめて、街や人が教えてくれた。
形は多少違っても、子どもの頃から描いていた夢たちが現実になっている。

そんな日々の中、因島で生きていた私がいつもひょっこり顔を出す。
路線図で探すのは海がある街、住む場所は静かな住宅地、道端で目が向くのは懐かしい草花、全く抜けない方言やイントネーション。
島の私が東京では個性になるんだと自覚した。
さらに、この場所が教えてくれたこと、故郷があるという心強さ。それを感じることができただけでも、ここへ来た意味がある。

「因島と東京」
私にとって離すことのできない大切な場所。
「せとうちタイムズ」を通して、東京を感じて戴ければなと思う。
ギラギラした高層ビルやウジャウジャと集まる人だかりばかりではない、東京の日常をお伝えしたいなと思う。

青木めぐみ

(青木恵)

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