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追憶 ~甦る日々

追憶 ~甦る日々【10】二章 居場所探し

「希望と躓(つまず)き」の一年間、私は大学や街のいずれにも居場所を見つけられずに、目的も方向も定めることなく彷徨っていたにすぎない。大学に入学したのだから、学生や教授などの教職員と親交を結び、そこに居場所を築けばよいのに …

追憶 ~甦る日々【9】一章 希望と躓き

夏休みの2カ月間の静養にもかかわらず体調は回復せず、秋には気管支に異常が現われた。咳が止まらなくなったのである。困ったことには、人に対面し会話をしようとすると決まって軽い発作が起き、声が出せなくなってしまうのである。 あ …

追憶 ~甦る日々【8】一章 希望と躓き

大学1年での「希望と躓(つまず)き」を象徴する出来事が起きた。永井荷風への憧れが頂点に達し、そして終結を迎えたのである。 突然、筑摩書房の日本文学全集を購入することを思い立った。近代日本文学を代表する作家の作品をすべて読 …

追憶 ~甦る日々【7】一章 希望と躓き

文学作品に影響されやすい私の傾向は、高校3年の頃から顕著になったようだ。永井荷風(1900~1959)の『濹東綺譚』(1937)にすっかり心を奪われたのである。 私の文学への目覚めはおくてで、高校2年のころからである。中 …

追憶 ~甦る日々【6】一章 希望と躓き

従兄弟の義夫が私に紹介した女性は、和子と名乗った。 彼女は、彼が事前に私に語った通りの、明るくて活発な女性だった。笑顔が素敵で、笑った時の切れ長の目とかなり深いエクボが印象的だった。互いに少しぎこちなかったが会話は進み、 …

追憶 ~甦る日々【5】一章 希望と躓き

大学に入学したての私が頼りにしたのは――学生寮の同室の先輩とは違った意味であるが――県庁に勤めていた従兄弟の義夫である。 彼は父方の従兄弟で、私より7歳年長だった。三原市に生まれ、一人っ子で大事に育てられた。父は警察官出 …

追憶 ~甦る日々【4】一章 希望と躓き

学生寮の物語はつづく。 私が住む寮は、広島大学教育学部東雲分校キャンパスの一角にあった。旧広島師範学校がその前身である東雲分校には、中学校と小学校と特別支援学校の教員養成課程があった。 資料によれば、広島師範学校が広島市 …

追憶 ~甦る日々【3】一章 希望と躓き

私ほど大学に希望を抱いた人間は珍しいだろう。しかし、それはことごとく打ち砕かれた。今から考えると滑稽に思えて仕方ないのだが、入学と同時に躓(つまず)きが連続した。 そもそも、大学を「自由の王国」と夢想したことが、その始ま …

追憶 ~甦る日々【2】序章 突然の電話

高杉が電話で告げた永島由美子は、大学時代の私の恋人である。ふたりは愛し合い、将来を誓った。にもかかわらず、その関係は実ることなく、一年も経たずに砕け散った。彼女と過ごした日々の人生上の意味は重く、今なお私の内面の奥底に静 …

追憶 ~甦る日々【1】序章 突然の電話

思いがけない人物から電話が入った。 「青木君ですか。高杉です、覚えていますか。」 大学一年の時以来の会話だった。高杉は同期で、私と同じように広島大学教育学部に属し、小学校の教師をめざしていた。また、同じ学生寮に寄宿し、互 …

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