夫と伐るミカンの古木チェンソーの唸りは木霊(こだま)の叫びとも聞く

吉原 浩子
 ミカン木の効率の悪い、植えて30年40年と経った古木を夫婦で伐り倒している情景である。ここ数年、急に実りの悪くなった木を、今年こそはと言いながらなかなか決断は出来なかったが、思いきって伐ることにした。


 夫婦での共同作業ではあるのだがチェンソーを使うのは腕っぷしの強い男がよい。チェンソーにも大小があって、その扱い方も熟練が要るのである。ブルルーンーと、けたたましい音、腹にこたえるような音、木の悲鳴とも聞こえるような音、先程まで地面にがっしりと根を張り、大地の恵みの水分を吸い上げていたミカン木が、根っこから伐られる瞬間である。そのチェンソーの唸り音はいかにも木のもつ精霊の叫び声と聞こえたのである。
 ミカン木を育てていない部外者が聞くチェンソーの音はただ喧しいだけだが、四季折々に手塩にかけて育てて、また、その恩恵に預った者にとっては、またひとしおの思いにこの切断音を聞いたのである。
 ミカン木に限らず、草でも人間でも同じであるように、苗木を植えつけた初めは害虫、病気、雑草などからどうやって守り育て、立派な成木にするかである。
 ミカン木にも幼年期、青年期、成木期、老木期とある。その道の人に聞くと、品種にもよるが、樹齢は30年くらいが適期と言われている。同じ品種でも生まれながらに枝張りも成育も高級品が成る木もあれば同じようにしてもダメな木もあるようである。
 チェンソーのモーターの唸りが高く、低く、重々しく、バサッという木の倒れる音は、思い直せば、新苗を植えるという明日への挑戦でもある。

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