ふるさとの史跡をたずねて【179】道了大権現(因島重井町白滝山中腹)

道了大権現(因島重井町白滝山中腹)

前回、愛宕さん、秋葉さんについて書いたので、高さから言えば、まん中になる道了大権現(どうりょうだいごんげん)について記す。正面中央に「道了大権現」、その左右に「奉海珊海演台守夜神 詩寂静□海守夜神」と書かれている(□は判読不能)。また外壁には「己酉九月吉日」とある。これは嘉永2年(1849)ではなかろうか。

妙覚道了(みょうかくどうりょう)は室町時代の曹洞宗の僧侶にして著名な修験者でもあった。小田原最乗寺の開基に協力し、師の入定(死亡)後は天狗になって守護神になろうとしたという話が伝わる。

曹洞宗といえば重井の善興寺は曹洞宗だから何か関係がありそうだし、天狗は山頂の天狗三態との関係が気になる。しかし、善興寺ができるのは江戸時代以降だし、直接の関係はなさそうである。天狗三態と直接の関係があるのなら、離れたところに置く理由がわからない。だからこれらは、無視してよいだろう。

そこで祠に刻まれた文字について考える。岩の上にあって詳しくは読めない。各行の冒頭の一字は右から読んで、「奉詩」(詩を奉る)と考える。しかし、各行の末尾3文字は同じで、こういう漢詩はあり得ないから、何か呪文のようなものだろう。「しゅやじん、しゅやじん」と繰り返し言ってみよう。

「守夜神」(夜を守る神)である。夜を守る神というのは、夜に泥棒や火災から守ってくれる神である。ここまで書いてきて、やっと前回の「愛宕社」「秋葉社」との関係が明らかになった。すなわち、ここが村民の火の用心の祈願所だったということである。これはあくまでも私の想像に過ぎない。そして、火の用心を拝むのは、お寺の御釈迦さまや観音さまでもなく、また八幡神社の神さまでもなく、やはり修験道者が最適だと思う。

(写真・文 柏原林造)

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