因島で見た野鳥【54】エナガ

スズメ目エナガ科の1種であるが、日本にいるエナガ科の鳥は、この一種のみである。全長13.5cmで、全長12㎝のメジロより大きそうだが、全長の半分以上は尾で、胴体の大きさでは、日本最小の鳥である。嘴は短小で頭上は白く、黒い過眼線がある。背は黒と紅紫色で、下面は白く下腹は紅紫色。

因島では留鳥で繁殖もしていると思われる。森の中を群れで移動するが、シジュウカラやメジロなどと混群を作ることが多いといわれている。筆者も、シジュウカラの群れが飛来した木の上部にエナガの群れが来ていることを、数度目にした。「ツィーチリリリリ」、「ジュリ ジュリジュリ」と多様な鳴きかたをするが、「ツィーチリリリリ」と鳴くときは鈴を鳴らすような金属的な音がするので、聞き分けやすい。

鳥が群れる理由はいろいろあるが、多数の目で捕食者を警戒できることが最大のメリットの一つである。異種の群が、たまたま同じ餌場などに集まっていることがあるが、これを混群とはいわない。混群は移動するときも群として一緒に移動する。群のメリットを大きくするには同種の鳥で多数を形成する方が良さそうだが、エサが同じなので競争が激しくなりエサ不足になる。エナガとシジュウカラでは同じエサも食べるが、嘴の形状が異なるので、主に食べるエサは異なり、競合しない。このことが混群を形成する理由の一つである(上田恵介「鳥はなぜ集まる?」、東京化学同人1990・1)。

エナガの若鳥や繁殖に失敗した成鳥が子育てのヘルパーとなることが知られている。

江戸時代前期には「えなが」として知られており、「えながどり(柄長鳥)」とか「えながひしゃく(柄長柄杓)」とも言われた。長い尾を柄(え)に見立て、柄杓にたとえたことが鳥名の語源であろう。

(文・写真 松浦興一)

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