因島にて…Ⅱ 地域から見えるもの【14】津波を考える(7)

 今村文彦教授は、マグニチュード九の四連動巨大地震にも言及する。

―さらに、震源域が広がれば、マグニチュードが9になる可能性も否定できません。言うまでもなく、被害は拡大します。東はプレートの境界が相模トラフですので余地はありませんが、西は九州あたりまで震源域が伸びる可能性がある。三連動に九州近海を加えた「四連動地震」については、まだわかっていません。しかし、備えておく必要は十分にあると思っています。


 中央防災会議の専門調査会(座長、河田恵昭・関西大教授)は6月26日、東日本大震災を踏まえて、今後の国の津波対策についての中間報告をまとめた。翌日の毎日新聞は次のように報道した。

―東日本大震災を想定できなかったことへの反省を盛り込み、「想定の考え方を抜本的に見直さなければならない」とした。その上で、地震・津波を巡り、古文書の分析や津波の痕跡、海岸地形の調査など「過去にさかのぼって科学的知見に基づく調査を進めることが必要」とした。

 さらに同紙は別面に、「東北以外にも『想定外』」「北海道や沖縄で『証拠』次々」という解説記事を掲載している。

―調査会が地震と津波の想定の根本的な転換を打ち出したのは、平安時代に東北地方を襲った貞観地震(869年)の研究成果を生かせなかったことへの反省があるからだ。

 つづいて、「そうした地震は東北地方以外にもある」として研究者の見解を紹介している。まず東海、東南海、南海の三連動地震についてである。現在の研究では、代表的事例として1707年の宝永地震があげられる。マグニチュード8.6の地震で、東海から九州で最大20メートル以上の津波が襲ったとみられている。

―しかし、高知大の岡村真教授(地質学)は「2000年前に宝永地震以上の津波があったのは間違いない」と語る。高知、徳島両県沿岸の2000年前の地層から、宝永に比べ2.5倍の厚さ(約50センチ)の津波堆積物が見つかったためだ。

 四連動巨大地震について次のように記している。

―3地震の震源域より海溝に近い部分の掘削調査で今年、地震で変性した岩石が確認された。この部分は従来、地震が起きにくいとされていた。東京大の古村孝志教授(地震学)がこの部分も含めた4連動地震をシュミレーションすると、津波の高さは宝永の1.5~2倍となった。古村教授は「(西日本太平洋沖では)想定規模はM9に引き上げるべきだ」と指摘する。

 歴史的に津波被害の多い北海道はどうか。

―北海道大の平川一臣教授(地質学)は最近、津波の痕跡調査から道南地域に道の想定の3倍以上の津波が到達した可能性を指摘した。「500年間隔でも何回かに1度、特別に大きい津波がある。直近の発生は400年前で、警戒すべき時期に入った」と話す。

 沖縄についても、名古屋大の田所敬一准教授(地震学)の調査結果が示されている。

―沖縄本島南の南西諸島海溝で2008年、地震を引き起こすひずみが蓄えられていることを示す海底の地殻変動が初めて観測され、約1万2000人が死亡した八重山地震津波(1771年)との関連性が指摘された。

(青木忠)

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