ふるさとの史跡をたずねて【54】茶臼山城跡(因島重井町細島)

茶臼山城跡(因島重井町細島)

因島村上氏六代吉充が向島余崎城から本城を重井の青木城に移した時、近くにある小細島(こぼそじま)と細島(ほそじま)は気になったことだろう。防御の面からは無視できない。細島に砦を置くことは当然だろう。しかし、細島には山伏がいた。常楽院靜金を白滝山観音堂の堂主にするなどして懐柔し、茶臼山(ちゃうすやま)に砦を築いた。

重井西港から出るフェリーに乗れば、15分ほどで細島に着く。桟橋から見て右手の小山が茶臼山城跡である。しかし、すぐには登らず、左手の小山との間をまっすぐ歩いてみよう。左に浜田神社を見て進み海を見て引き返そう。そこが干拓地であることが感じられるだろう。すなわち茶臼山城は西に小島と小さな水路を持っていたことがわかる。

さて、茶臼山城跡へ登るには、桟橋から右ななめ前方の坂道を進み、共同墓地の入口で反対方向へ登るのがわかりやすいだろう。頂上には天神さんや石鎚さんなどを祀ってあり、また近くに細島三十三観音もあるが、それよりも、頂上の地形を見ながら西へ北へと歩いてみよう。畑の跡であろうが、砦として考えても良い立地だということがわかる。先ほどの干拓地の方へ降りればそこが船隠しだったことは容易に想像できる。

茶臼山城を守ったのは弓瀬氏だったと言われている。一方、民話の弓瀬曽十郎は足利尊氏の時代で馬神から弓を射たことになっている。ここの弓瀬氏がモデルで、民話の世界でならその程度の違いはよくあることだと思う。

(写真・文 柏原林造)

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