空襲と原爆の犠牲者悼 「因島にも大きな空襲があったんだということを忘れないで」

因島空襲があった7月28日、空襲と原爆の犠牲者を追悼する集まりが土生公民館で開催された。主催は、尾道市因島地区原爆被害者友の会と因島空襲を考える会。

因島などの島しょ部は2回の空襲で大きな被害を受けた。同時に8月6日の原爆によるたくさんの犠牲者が出た。

4日の「黒い雨」上映会に130人が参加。つづいてこの日の追悼の集いには空襲体験者と遺族、原爆被爆者と遺族、住民ら30人が出席した。

黙とうから始まり、3人がそれぞれの体験を語った

主催者の「友の会」元会長の村上秀雄さんは、被爆者となった経緯と取り組みを話した。

瀬戸田町原爆被害者之会元会長・梶川春登さんは、「あれから71年、いつのまにか90歳になってしまった。人間はいかにあるべきかと考える。みなさんとお会いでき、話せることに感謝し、うれしく思う」と述べた。

日立因島工場で空襲を体験した星野正雄さんは当時の工場内を図で示し、保存していた実際の機銃掃射の銃弾を見せながら被害の悲惨さを訴えた。

星野正雄さん

最後に司会の星野哲司さんは、「因島にも大きな空襲があったんだということを忘れないで、平和を築く力の一つになりたい」と集まりを締めくくった。

「友の会」元会長 村上秀雄さんの話

村上秀雄さん

《被爆者となった経緯》

戦局の悪化に伴い昭和20年から徴兵検査年齢が18歳になると、第2国民兵に位置づけられ、「8月17日広島歩兵隊に入隊せよ」との召集令状を受ける。16日広島市に入り被爆した。街は黒こげでその夜は市内に宿泊。その後因島に帰る。

《原爆被爆者手帳の取得》

戦後、日立造船因島工場の鋳物工場に復帰。昭和52年から同64年まで因島市会議員を務めた。昭和52年秋、入市被爆者として手帳の取得をすすめられ、53年7月10日取得。

《被爆者団体への参加》

36年に結成された因島原爆被害者友の会に入会。同じ時期に広島に入市した者への手帳取得の説明と手続き、会費徴収などの活動をした。平成5年会長就任。県被団協の活動もすることとになった。

《「ピカ・ドン」の学習》

  1. ヒロシマに投下されたのはウラン235、計64キロ
  2. 島病院の上空9600メートルから投下、地上600メートルで破裂
  3. エネルギーは熱線50%、爆風35%、放射能15%。半径2キロ以内では家屋の木材は自然発火。半径500メートル以内で全員死亡。半径1,000メートル以内で半数が死亡。半径2,000メートル以内では残留放射能が2週間残った。被爆者の死亡数は、昭和20年末まで14万人。軍人、朝鮮人、外国人捕虜除く。

《平和記念公園の慰霊碑》

「安らかに眠って下さい過ちは繰返しませぬから」碑の周りを囲む池は、水を求めながら亡くなった人たちのために、いつもきれいな水をたたえようという願いで造られたもの。広島市の原爆被爆者慰霊碑に納められている人は、平成27年8月5日まで29万7684人。28年5月18日までに5,359人が追加。因島地区友の会会員はのべ379人。未加入者は40~50人と推定される。

傍目八目(おかめはちもく)

因島原爆被害者友の会が6月の活動を最後に解散した。同会は1961年に134人の会員でスタート。約379人まで増えたが、現在は37人。8月6日の平和記念式典への参列、原爆パネル展の開催などを続けてきた。被爆二世の会の立ち上げも模索してきたが、会員の減少と高齢化によって活動の継続が困難になった。だが今後は個別に地元の学校などに呼びかけて被爆体験の講話をして「核兵器なき世界」の実現に力を尽くしたいと村上秀雄会長(89)は心根を話す。

その一方で因島空襲が検証され、これまで沈黙していた土生町安郷―三庄町家老渡の空襲被害者も参加して慰霊祭がとり行なわれるまでになった。戦時中のこととはいえ軍需工場であった日立造船所因島工場での殉職者のあつかいの冷たさ、旧町村責任と因島市史での取りあつかいもさけて通っている様を断腸の思いで通り過ぎて来た人も多かろう。

聞けば聞き損、知らぬが仏―ということわざのように聞いてしまうと腹ただしくもなってくる。

(村上幹郎)

[ PR ]因島で家の解体のことなら「吾城」へ

当社には家の解体専門の部署があり、お客様のご希望に合わせた、よりよい施工内容をご相談・ご提案させていただいています。

空き家になった時のそのままの状態で、家具や食器、衣類などの処分から、解体後の用途に応じて砂利敷きや、アスファルト舗装等の工事までを一貫して施工します。

丁寧かつ迅速な施工で、因島はもとより島嶼部や尾道近郊においても、幅広く、ご好評いただいております。

【対応住宅】
木造住宅 / RC鉄骨 / 軽量鉄骨住宅 / アパート / 工場 / マンション

【お問い合わせ】
有限会社 吾城(ごじょう)
広島県尾道市因島重井町5800-42
TEL0845-26-2282