因島市「市技」制定5周年事業 暑さ吹き飛ばした囲碁のまちづくり プロ・アマ本因坊秀策杯で閉会

後世、碁聖と崇められる本因坊秀策(1829~1862年)幼名桑原虎次郎のふる里、因島市で囲碁を「市技」に制定して5年目を迎え、7月25日の前夜祭から28日までの4日間、記念事業がくりひろげられた。

碁聖戦第3局 挑戦者が一矢

記念事業のビッグイベントの開幕は第27期碁聖戦五番勝負(日本棋院、中国新聞備後本社主催、日本IBM協賛)の第3局。小林光一碁聖連勝の後を受けて26日午前9時から土生町のナティーク城山で打たれ、午後6時31分、挑戦者の結城聡九段が3目半勝ちして1勝2敗とした。

1988年の13期から連続6期。99年24期に帰り咲き。25期は山下啓吾に3-2で不覚。昨年、再びタイトルを奪取。通算八期で現在唯一のタイトル保持者である小林碁聖は負けられない一戦だった。序盤の戦いで難解な詰め碁ができ、コウ材がなくて逃げ切られたようだ。(小林碁聖談)

結城九段は「戦いを挑んだが成算があったわけではない。結果はまずまず」と胸をなでおろした。

第4局は8月21日、東京日本棋院会館である。

秀策杯第1回優勝 百万円は山田八段

ビッグイベントの第2段は優勝賞金百万円のプロ・アマ大会。名付けて「本因坊秀策杯」。27日の記念祝賀会と囲碁まつりの前夜祭席上で組合わせ抽選会があり、各代表が対局にのぞむ意気込みを披露した。

28日の大会は、市民会館2階会議室の特設会場でプロの意地とアマの気迫がぶつかる真剣勝負が始まった。

1回戦8試合はプロの実力が上回り、アマで勝ち上がったのは8人のうち岩城公順・中国素人名誉本因坊(63)=呉市=一人だけ。各地区代表は「プロと対局できて幸せ」と苦笑する。

3回戦、四強に勝ち進んだのは全員プロ。決勝は山田規三生八段(29)=日本棋院=と清成哲也九段(40)=関西棋院=の対決。

会場を市民会館に移しての公開対局。400人を超すファンが見守る中での対局は、序盤の攻めぎ合いで清成九段が見損じてあっけなく投了。1時間半の予定が30分で終わった。

賞金百万円を手にした山田八段は「強豪相手に立て続けに4局打つのはハード。清成九段は疲れていたようだ」と若さの体力を強調、対局相手にいたわりの言葉。「なによりも碁聖・本因坊生誕の地で初優勝がうれしい」―と、喜色満面だった。

秀策杯は市内団体でつくる「市囲碁のまちづくり推進協議会」の主催で、今後は冬と夏の年2回開催。全国でも珍しいプロ・アマタイトル戦として育てていく考え。

成績次の通り。(アマ定先黒。持碁アマ勝、先番5目半コミ)

一回戦

▽久保田大初段(関西棋院)中押し吉松昭三(福山市)
▽山田規三生八段(日本棋院)中押し四方治雄(広島市)
▽山本賢太郎四段(日本棋院)中押し村上徳祥(大阪)
▽矢中克典七段(日本棋院)中押し清水学治(福山市)
▽清成哲也九段(関西棋院)中押し中浜則明(広島市)
▽岩城公順(呉市)1目勝ち佐坂志朗八段(日本棋院)
▽石田篤司九段(日本棋院)中押し福井盛人(因島)
▽長谷川直九段(関西棋院)5目勝ち田中正人(松山市)

二回戦

山田中押し久保田
▽矢中4目半山本
▽清成中押し岩城
▽石田中押し長谷川

三回戦

▽山田中押し矢中
▽清成3目半石田

決勝

▽山田中押し清成

写真は第1回本因坊秀策杯決勝戦公開対局(上)、対局終了して大盤解説に加わり意見を述べる(右から)清成九段と山田八段。解説聞き手の徳永紗月アマ6段

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