福島放射能汚染地域に生きる子どもたち【18】

6 食の安全と絆

政府は水や食物等の放射性セシウム137の暫定値を発表しましたが、その数値に驚きました。全く食の安全を考えていないと思いますし、食べる子どもたちの命のことを本当に考えているのかと疑いたくなりました。この数値で本当にいいのかなときっと誰もが感じたと思います。食料は1キロ㌘当たり500ベクレル、牛乳200ベクレル、水は200ベクレル、安全なのかどうかわかりませんが、少なくとも水は、水道水は飲料として使用しないこと、野菜は他府県のものを出来るだけ使用すること、牛乳は原産地を確認することなどを保護者と確認しました。暫くして牛乳は北海道の原産のものにしました。


ところで、不検出というのがありますが、例えば200ベクレル以下は不検出というのですが、これは安全だと言うことではなく、200以下には何があるかわからないと言う事ですから、お母さんたちは本当に注意深くなっていました。料理や炊飯にペットボトルの軟水を使用する家では、それを買うことになります。時々、全国からペットボトル入りの水の寄付がありますが、それでも普通の家では水代は大変です。幼稚園の給食用にはいわき市や色々な団体が支援してくれましたので助かりました。今では結構厳しくなって、食品100ベクレル、乳幼児用食品50ベクレル、牛乳50ベクレル、飲料水10ベクレルになりましたが、最初からそうするべきだったと思いますし、また結局は汚染されているものを食べていたんだなと思いました。

2012年5月頃の新聞で、新基準になって、基準超えは福島が一番多いというニュースが掲載されていました。食べ物の課題が今も続いているのです。粉の新基準を頭に入れながら、魚も肉も野菜もお米も、食べるものは何から何まで、子供の安全と健康を守るために、親が選択していかなければならないのです。親の心の負担は大きくなっていると思います。

「これ食べていいの?」

暫定値のとき、私たちは、スーパーに行って何を食べようかと選択するのです。聖書には何を食べようか、何を着ようかと悩むなという言葉がありますが、この度は、選択にみんな悩むのです。九州や中国地方などの遠くの地域から来た安全な野菜がばかに高いのです。それを買って食べるか、政府の方針に沿って、基準以下だから、安全だから安心して食べて下さいと言われる地元の野菜を選択するかは、それぞれの家庭が家計に合わせて選択するのです。

土屋修二(瀬戸田バプテスト教会牧師・博愛幼稚園園長)

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