秋祭り 土生と田熊の違い

掲載号 14年10月18日号

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旧暦の十月は全国の神々が出雲に集って国の行末や政事(まつりごと)を話し合うため神々の首都・出雲大社へ集合する。この月を神無月(かんなづき)と呼ぶが、出雲の国だけは神在月(かみありづき)と呼ぶ。

なにしろ八百万(ヤオヨロズ)に及ぶ神様が瑞垣外の東と西側に長い建物が二宇あって一棟に十九社、御旅舎(おたびしゃ)といって地方の神々がお宿りになる。今でいえば議員宿舎である。

旧暦10月中は神社の神様はお留守というわけ。ただし神主さんが神様にお取り次ぎはしていただけるようになっているそうだ。

先月のこと、土生町の大山神社と田熊町の八幡さんの御輿・山者(だんじり)の違いに首をひねるお年寄りがいた。お渡りは似たり寄ったり。だが、宮入りは田熊神社はお旅所で村人のグチを聞いてくださって感謝―とばかりお宮までお見送り。土生の大山神社は宮入りの神様との別れを時間いっぱい演出。勇壮な伝統芸能として育てばと言う声。若者の参加しやすい道を開いてほしい。

(村上幹郎)

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