来年解体される国立競技場 「出陣学徒壮行の地」の碑

掲載号 13年10月26日号

前の記事:“因島発の「囲碁ソング」愛好家と園児が協力 世代を超えた絆育つ
次の記事: “村上水軍の「軍楽」の研究【6】第一章 村上水軍の概観

また一つ、太平洋戦争史の一頁が消えそうだ。角帽にゲートル(脚絆)を巻いて3・8(さんぱち銃)をかついで行進する学徒出陣壮行会の映像を見るたびに昭和史を回顧する高齢者も少なくなった。

テレビのなかった時代。全国の映画館のニュース映画は雨の明治神宮外苑競技場に約2万5000人の学生が行進する光景を映し出した。1943年10月、70年前の話。この時から徴兵制度が変わり大学、旧制高校、専門学校から文化系の学生・生徒を招集、10万人以上が戦地に送られた。

敗戦後、母校へ復学した人もあり「卒業証書」が仮免許と重複して「闇市」で売買された。今では考えられない話だが、それでも文句も言わずに従った学生たち。運よく復員して就職した人、個人営業の道を選んだ人それぞれあった。

戦後の復興で93年、出陣50年を記念して国立競技場敷地内に建立した「出陣学徒壮行の地」の碑の前で21日追悼会を開いたが出席者は90歳を迎えた元学徒や家族ら約80人。来年、競技場は解体される。

(村上幹郎)

関連書籍

E