「TPP 黒い条約」出版 村上正泰教授ら警鐘を鳴らす

掲載号 13年07月13日号

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参議院選挙の大きな争点のひとつになっている、TPP(環太平洋経済連携協定)。「TPP亡国論」を著した中野剛志氏編の「TPP 黒い条約」=写真左=が集英社新書(760円+税)から出版された。この問題を早くから掘り下げてきた気鋭の論客7人がTPP参加に警鐘を鳴らしている。

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因島田熊町出身の村上正泰・山形大学大学院医学系研究科医療政策学講座教授=写真右=が、第五章の「TPPで犠牲になる日本の医療」を執筆している。

教授は次のように指摘する。

「世間ではTPPについて、とりわけ農産物の関税をめぐって議論されることが多いけれども、それと同時に、もしくはそれ以上に懸念されるのが、混合診療全面解禁が求められたり、医療機関経営への株式会社参入が進められ、わが国の国民皆保険制度が揺らいでしまうのではないかということである。」

日本においては保険診療と保険外診療の組み合わせ、いわゆる「混合診療」は原則として禁止されている。

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