他人ごとではすまされない 秋葉広島市長の退任表明

掲載号 11年01月15日号

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 年明けの県内ニュースでびっくりしたのは秋葉忠利広島市長(68)の退任表明。普通なら市議会か記者会見で表明するものだが、4日の市役所の仕事始め式で「任期満了の4月7日で市長としてのピリオドを打つ」と訓辞。3期目の今期限りで退任することになった。

 秋葉市長は東京都出身で米タフツ大准教授―広島修道大教授を経て1990年に衆院議員に。99年社民党を離党して広島市長選に初当選。03、07年の市長選も自民党候補を破った。カープの新たな本拠地マツダスタジアムを完成させ、20年夏季五輪の招致検討を表明するなど市議会も経済界も四選を目指す見方が強かっただけに波紋は大きい。

 これまで苦汁をなめてきた自民党は市長選の度ごとに内部分裂。今回の統一地方選挙も難航が予想される。その一方で民主県連は秋葉市長の立候補を前提に考えてきただけに対応が難しくなってきた。

 広島県の政治経済文化の核となる政令都市のことで統一地方選の危機感が際立ち他人ごとではすまされない。

(村上幹郎)

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