オニは春を呼ぶ日本の神

掲載号 09年01月31日号

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 一年の計は元旦にあり、一日の計は朝(あした)にあり…と続くのだが、気がつくと1月も終ってしまった。

 こよみをめくると2月3日は節分。正月に一つ年をとったはずだが、節分に豆まきをして新しい歳の数だけ豆を食べてお祝いする。日本には年越の行事が二回あることになる。

 宮中の年中行事の一つに「オニやらい」というのがある。晦日の夜に悪鬼祓い疫病を除く儀式だが、それが社寺・民間でも行われるようになったらしい。

 「鬼は外、福は内」と大声を発しながら豆まきをするが、節分のオニは厄を持ち込むのでなく、厄祓いの神といわれる。豆をまくのも鬼を追いはらうのでなく人間の罪けがれを豆に託して鬼に運んでもらうためである。そして食べるための豆は神聖な神の魂が宿っている。同じ豆でも正反対の意味をもっている。

 仏教の赤鬼、青鬼に対し頭に角をもち虎の皮の褌を着けている雷様。コブ取爺や桃太郎、一寸法師に出てくるオニはまぎれもなく春を呼ぶ日本の神であるように思えます。

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