オリンピックと国家斉唱 影をひそめる大和魂

掲載号 08年08月23日号

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 盆休みが終わり、8月も残り1週間。今年の夏は、ことのほか暑く”猛暑”とか”うだるような暑さ”という言葉が当てはまった。

 4年に1度のオリンピックのテレビ観戦で一喜一憂、睡眠不足になった人。夏の甲子園が終ったのも気が付かなかったという人たち。例年なら終戦記念日に必ずといっていいほど物議をかもす閣僚の靖国神社参拝問題も中韓両国への配慮をにじませた。

 遠い昔、戦争を一時休戦してスポーツの祭典を行なったという歴史も残っている。今年のオリンピック入賞者のコメントで「皆さんの応援、支えがあったから」と、自分の努力よりも周囲の環境に感謝する言葉が多かった。

 戦後、日の丸、君が代―に対するアレルギー的反応を表したニッポン教育現場もスポーツの世界が純粋に勝利の喜びに日の丸を掲げて場内を一周、表彰台に立ち国旗掲揚、国歌吹奏を受ける光景にいちゃもんはつけられなかった。

 そしてかつての大和魂(やまとだましい)が影をひそめてきたことも否めない。

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