青山五郎さんの思い出

掲載号 08年01月19日号

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 国内最大の紳士服販売チェーンに育てあげた青山商事(本社・福山市)の創業者で、会長の青山五郎さん(77)が15日倉敷市内の病院で死去したという訃報。昨年6月半ばごろから体調不良のため療養生活を続けていたと聞き見舞いに行こうと思いながらその機会を逸したことを悔やんでいる。

 同年齢ということもあって脱サラした五郎さんが府中市で洋服や食品を扱う青山商事を設立した1964年ごろからの付き合いでエピソードは枚挙に遑が無い。これまでの立志伝中に発表されてないのが、JC(青年会議所)や商工会議所の会員に入会しないという自論。「考えが画一、時間を制約されるから」というのがその理由。

 洋服店主から郊外型チェーン店を拡大、1987年に広証と大証二部上場を控えた2ヵ月前に脳軟化症で倒れたときのこと。「社長職は孤独に絶えることだ」と、淋しそうにもらした。職場ではワンマン一徹で厳しかったが、仲間と仕事の話は抜きで意気を感じて楽しい酒を飲むのが好きな人だった。合掌。

(村上幹郎)

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