歴史博物館 尾道豪商の世界―加登灰屋を中心に

掲載号 07年12月08日号

前の記事:“市民囲碁大会 来年2月3日
次の記事: “尾道豪商の世界 歴史博物館特別展

 尾道市役所前の歴史博物館で「尾道豪商の世界―加登灰屋を中心に」が開かれている。かつて、下関―尾道―浪速(大阪)の三大湊まちの中心で玉の浦(尾道)が商都としての盛衰を語る人が少なくなった。言わんや編入合併した因島、瀬戸田においては関心が薄いようだ。

 ところが、文化経済の一面をとって見ても太いパイプで繋がっていることは否めない。尾道豪商の加登灰屋、橋本吉兵衛竹下(ちっか)といえば因島出身の偉大な天才棋士、本因坊秀策を江戸に送り出した物心両面の後援者。今風にいえばパトロン、後援会長でもあった。文明開化の明治時代に入ると、広島銀行の前身といわれる県内初の銀行第六十六国立銀行の初代頭取に橋本吉兵衛静娯が就任。

 大正、昭和に入り国鉄連絡線尾道―因島―今治航路も開設され、海の玄関口として栄えた。戦前戦後は県東部の中核都市としてにぎわっていたが、日本鋼管福山進出を機にJR新幹線停車駅、しまなみ海道対応で遅れを取り課題山積の年の瀬である。

関連書籍

E