もうひと頑張りしようか 田熊町文化財協会会長 柏原 弘さん(77)

掲載号 07年09月29日号

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 こもり山の中腹に居を構える田熊町文化財協会会長の柏原弘氏(77)。樹齢数百年ともいわれる市天然記念物「ビャクシン」が家のすぐ側にある。

 平成2年中学校英語教員を退職したことをきっかけに因島市文化財保護委員に任命され、はじめて田熊町の歴史散歩に取り組んだ。

柏原弘さん

 先輩たちの残した文書を調べていくうちに、これらの財産を絶やしてはならないという使命感で今日まで活動をつづけてきた。

 そのなかでも、とりわけ思い出深いのは平成15年に同町の八幡神社を因島市重要有形文化財に認定させたことだと振り返る。因島市の歴史的建造物でははじめてのことであった。
現在、同町文化財協会には200人の会員がいる。

 江戸初期の「地詰帳」を調べることで、当時の田熊町の町なみや生活ぶりを掘り起こすことに活動の力点をおいている。また「道路改修碑」の研究もしたいと考えている。この内容は、同協会の会誌に掲載するとともに、県の文化財ニュースに発信をつづけている。

 「ここまで評価されたのか」と受賞を喜ぶ。同時に後継者育成の課題に「自分がもうひと頑張りしようか」と意欲をわかす。

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