尾道対岸の向島 船体ブロックの集積地に

掲載号 07年03月24日号

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 高操業を続ける地元の造船会社は建造の効率化を図るため「船体ブロック工法」を取り入れる動きが活発になっている。

 今年2月にはJFE商事造船加工(株)(尾道市向島町111、資本金3千万円、TEL0848-37-6630)が日立造船(株)向島西工場の敷地に工場を完成。尾道造船(株)(本社・神戸市、潰根義和社長、資本金1億円)でも尾道造船所(尾道市山波町1005、TEL0848-37-1111)が対岸の向東町に同様の工場を計画している。これら2工場が並び立つ尾道水道の南岸は船体ブロックの集積地になりつつある。

 船舶の建造は船体のかたまり(ブロック)をあらかじめ製作して船渠(ドック)または船台で組み立ててゆくブロック工法が主流になりつつある。

 高水準の受注を抱える国内造船業界ではこの加工能力の確保が造船所の建造量を左右する状況にある。

 こうした背景の中でJFE商事造船加工(株)はショットブラスト、切断、ブロック製作を専門とする地元各企業の協力を得て一貫加工を可能にする工場を新設し、地元をはじめとする各造船所の需要にこたえる。

 一方、尾道造船(株)はこの工場より数キロメートル東にあるコスモ石油の備蓄タンク跡と周辺地を買い取り、船体ブロックなどの一貫加工体制を敷く計画を進めているようだ。製品は主に自社の造船所向けに充てる。

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