因島で見た野鳥【89】セイタカシギ

セイタカシギ

チドリ目セイタカシギ科の一種で、全長37cm、因島で周年見ることができるイソシギの2倍ほどの大きさである。筆者にとっては、因島で初見の野鳥である。嘴はまっすぐで、細く長い。脚は淡紅色で非常に長い。羽衣は、背が黒あるいは茶色で、他は白が目立つ。虹彩は赤いが、光線の具合で目立たない時が多い。写真では、赤い虹彩が明瞭である。沼地を歩き回り、絶え間なくついばんでいる。脚が長いため、深い水の中にも入る。

和名の由来は、背が高いシギの意味であろう。英名では、Black-winged Stilt(黒い羽が付いている竹馬)で、遠くの沼地をヒョコヒョコと歩き回っている姿の特徴を言い得て妙である。

大陸内陸部で繁殖し、東南アジアや南半球で越冬する。渡りのコースから外れている日本には、迷鳥として春と秋に稀に来るとされていたが、最近では、国内の一部で繁殖し地域によっては留鳥に区分されている。

筆者が因島で初めて見たのは2020年11月4日で、11月18日現在もいるので、しばらく滞留するのかもしれない。

清王朝時代に描かれた「百花鳥事典」の原本が、1737年に日本に渡り、珍奇な外来鳥を知る手がかりにされたそうである。その中に、セイタカシギが水喜鵲(スイキジャク)として描かれている(菅原・柿澤:鳥名の由来事典)。当時でも、セイタカシギは珍しい鳥であったのであろう。ちなみに、「百花鳥事典」は、国立国会図書館デジタルコレクションとして、インターネットで閲覧できる。そこでも、虹彩は、しっかりと赤く塗られている。

(2020年11月19日記)

写真・文 松浦興一

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