75歳老人のフーテン 2019東北の旅【55】八郎潟側の田

9月15日④八郎潟側の田

列車は定刻に深浦駅を出発する。今度はロマンスカーではなく鈍行である。窓からは素晴らしい景観の海岸線が続いているが、来た時のような高揚感は薄れて単調なマンネリ感が漂い始める。景観とはそういうものなのだろう思いつつ車窓を眺める。山側の奥には白神ブナ自然林があるのだが線路沿いは杉林の方が目立っている。

秋田県境を越え東能代駅に着く。ここから奥羽本線に乗り換えて秋田駅まで行くのだが、またもや乗り継ぎは鈍行である。東北地方の移動は新幹線に限るということを認識されている。何々本線という立派な名が付いているがそのほとんどが1時間に1本よくて2本である。支線に至っては1日4~5本である。しかも新幹線に合わしたダイヤ編成がなされている。もともと列車を軸としたのんびり東北田舎の旅としゃれこんだ私だ、それなりの覚悟しているつもりでも移動時間は想定以上の時間のロスがある。などと思いつつ奥羽本線に乗り秋田を目指す。しかし移動時間の時間ロスは旅の目的・私の体力にも影響し始める予感がする。

列車は進み八郎潟の側を通るがその付近の田の1枚の大きさに驚かされた。ゆうに一辺が200メートルを超している=写真。大きなコンバインが所々に稲を刈っている風景が見える。何千万円もするコンバインであろう。おそらく八郎潟の干拓地には一枚がもっと大きな田が並んでおり収穫に大忙しであろう。下北半島の宿の賄いおばさんにコメの味をほめると八郎潟のアキタこまちと言ったのが思い出される。目に見える風景の田も近くの八郎潟の田の影響で区画整理を重ねてかくも大きなものになったものと思われる。

しかしコメの自由化の波にはこの程度のことでは克服できないという識者がたくさんいる。一方私の地元にはそのような風潮に惑わされず有機栽培で少量多品種の栽培農家がいる。ネットで顧客を拡大して順調な経営に見えるが今後はどうなるのか。

秋田駅に着くが乗り継ぎは羽越本線でまたしても鈍行である。時間のロスはすでに覚悟している。今日は酒田で下車し鶴岡まで行き泊まることにする。駅弁とビールでまた窓からの鳥海山の雄大な山容を楽しみながら時間は過ごしてゆく。山形県境を越え酒田駅に着く。

田中伸幸(因島田熊町)

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