ふるさとの史跡をたずねて【169】八栗寺(因島重井町白滝山中腹)

八栗寺(因島重井町白滝山中腹)

因島四国八十八ケ所85番八栗寺は白滝山中腹の岩の上にある。垂直に近いその岩は、お堂の前からは見えないが、下から見るとかなり険しい崖となっている=写真左端

さらにそこから前方を見るともっと大きな岩が垂直に立っている。修験者、すなわち山伏にとっては格好の修行場であっただろう。

そのような大岩が白滝山には至るところある。だから白滝山というのはそれらの岩の上を、雨が降ったら滝のように白い水が流れたから、そのような名前になったのだろうと想像することはたやすい。そしてまた、いろいろなところに名前の由来として、そのように書かれている。

ならば、そのような現象を見たことのある人はどれくらいいるのであろうか。私の想像では恐らく一人もいないと思う。すなわち、この白滝山の名前の由来が、「十字架」や「一観教」とともに怪しいのだ。これまた誰かがもっともらしく書くと、あとは雪崩のように書き写され、あたかも定説のようになる。

今は白滝山と呼ばれているが、字(あざ)は滝山である。タキザンと読むのであろう。滝山というのなら、水の流れる滝が一つや二つではなく、何個もあるような印象を受ける。そして、そんなことはあるまいと、ますます疑問に思う。

谷川健一さんの『日本の地名』(岩波新書)に、「中国地方より西ではタキの地名は断崖をさす」とあった。これなら、納得ができる。『日本国語大辞典』(小学館)にも「たき」(方言)として、絶壁、崖が中国、四国、九州地方などで使われていることが示されている。

また、人によっては嶽、岳の字を当てたり、水の流れを表す滝も、もともとは崖のような地形を表す言葉が次第に水の方へ意味が移ったと考える人もいる。

以上のことから因島の白滝山に関しては、水の流れる滝とは関係はなく、崖山(ガケヤマ)、あるいは白いガケヤマの意味だと考えたほうがより合理的である。

(写真・文 柏原林造)

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