因島で見た野鳥【69】カワラヒワ

スズメ目アトリ科。全長14.5cm、スズメ大の留鳥、全体としては褐色で、スズメと見間違われることも多い。頭は灰褐色、羽には鮮やかな黄色の翼帯があり、飛び立つと黄色が目立つ。「きすずめ」と呼ぶ地方もある。「キリキリッ」とか「ジューイ」と繰り返して鳴く。草地や畑で草木の実を食べている群れを、因島では普通に見ることができる。庭のヒマワリなどにも来る。マヒワ、ベニヒワなどと名前に「ヒワ」と付く野鳥がおり、「ひわ」の語源は「弱々しい」にあるとする説がある(菅・柿澤:鳥名の由来辞典)。しかし、カワラヒワの目付きは鋭く、アトリ科の鳥として丈夫そうな嘴を持ち、スズメが手に負えないヒマワリの種などを簡単に噛み潰す。

連載(68)で、長距離の渡りの代表例をいくつか取り上げたが、ここでは因島で見る渡り鳥について述べる。夏にシベリヤや中国北東部などで繁殖し、冬を日本で過ごす鳥を冬鳥という。因島で見る主な冬鳥は、カルガモを除くカモ類、カンムリカイツブリ、ダイサギ、ウミネコを除くカモメ類、オオバン、キセキレイ、ジョウビタキ、ツグミ、シロハラなどである。夏に日本で繁殖し、東南アジア周辺で越冬する鳥を夏鳥といい、因島で見る主な夏鳥は、ツバメ、コシアカツバメ、コチドリ、オオヨシキリ、ホトトギス、チュウダイサギなどである。キアシシギのように北半球高緯度地域と南半球高緯度地域を、赤道をまたいで往復し、春・秋に日本に立ち寄る旅鳥も因島で見ることがある。因島で見た野鳥のほぼ半数は渡りをしない、いわゆる、留鳥であった。

カワラヒワも留鳥であるが、33日をかけて宮城県から千葉県へ350㎞ほどを移動した例がある(鳥類アトラス)。連載(17)でも述べたが、留鳥のコサギも、日本からフィリピンへ移動した個体がいる。鳥にとっては、数百キロメートル移動することは、我々が考えるほどには難しいことではないのかもしれない。

コサギより大きい「シラサギ」が、ほぼ一年中見られる場合があるが、この「シラサギ」は留鳥ではない。冬に見るのは、越冬のために北から渡ってきた冬鳥のダイサギ(連載18に掲載)で、春には北の繁殖地に去っている。初夏に見るのは、南方で越冬し繁殖のために渡ってきた夏鳥のチュウダイサギ(ダイサギ亜種・連載17に掲載)で、秋には南に去っている。南方で越冬するチュウダイサギに比べ、因島で越冬するダイサギの方が大きい。同種の動物であれば、生息場所が寒いほど体は大きいという「ベルクマンの法則」の実例であろうか?

(写真・文 松浦興一)

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