ふるさとの史跡をたずねて【117】大石遺跡(因島重井町大石)

大石遺跡(因島重井町大石)

しまなみ海道ができた時、その道路新設予定地から遺跡が発見され、昭和54年度に発掘調査された。大石遺跡である。地図で見ると因島北インターと重なり、詳しい場所はわからなかった。幸い発掘風景を写した写真を目にする機会に恵まれた。その背景から想像するに、因島北インターから入って、本線に合流するあたりということになる。(写真)。そこから重井町と大浜町との境までである。因島北インターから大浜パーキングまでの間に、二本の陸橋が本線の上にかかっている。重井側が「重井小道橋」、大浜側が「大浜小道橋」でその中間あたりが町界ということになるので、本線に合流して、あっという間に通過してしまう。

大石遺跡からは、弥生時代中期(推定)の竪穴式住居跡二軒、近世の溝状遺構14本のほか、弥生式土器、石製武器、鉄器、中世の土器、近世の陶磁器など多数が出土しており、少人数で農耕生活をしていたことが推定されている。

古い時代のことは想像すべくもないが、近世の陶磁器に注目してみたい。塩野七生さんの『ローマ亡き後の地中海世界』だったと思うが、海賊横行時代の地中海では、住民は海から離れて住んでおり、海賊が出なくなると再び沿岸部に戻ってくるというようなことが書かれていた。海賊とは言うものの、そのタイプは異なるが、江戸時代になって、因島村上氏が去ってから、沿岸部に出てきたということを示しているのであろうか。あるいは、干拓の進展とともに沿岸部が遠ざかったので移動したということを示しているのだろうか。

さて、大石地区というのは、因島でも有数のマムシ生息地である。そこに住んでいた人たちとマムシとの関係はわからない。白滝山南麓に発する湧水の一部は、その近くを通って、初夏にはホタルの飛び交う、みつばち(レストラン)の裏で、重井川に合流する。特別の年を除いて、年中その水が涸れることはない。だから人間にもマムシにも住みやすい土地であったということだろう。

合流点(左)とレストランみつばち(右)

(写真・文 柏原林造)

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