故郷への手紙【40】回想録

回想録

『視線をそらす文化』

おそらくそういう題名だったはずだ。
国語の教科書に載っていた教材の一つ。小学何年生かは忘れてしまったが、2・3年生だったように思う。
日本人と外国人のコミュニケーション文化の違いを挙げた内容だった。日本人は、見知らぬ人と目が合うと視線をそらす。しかし、外国人の場合は見知らぬ人と目が合うと、ニコリと返したり挨拶をしたりと視線をそらさない。
当時の私は、「外国人の人達のようになりたい」と思った。子供ながらに、視線を合わせる方が”良いこと”だと感じたのだ。
それをきっかけに、人の目を見て挨拶や会話をするように意識するようになった。
ただ、両親の前ではそれが出来なかった。
長い反抗期を過ごしていた私は、「目を見なさい」「挨拶をしなさい」と、母から毎日のように言われていた。
叱られても何を言われても、私は変わらず態度や口が悪く、外面だけは良かった。
毎日毎日言い続けた母の強さに、今では感謝する。
そんな日々もそんな自分も、実家を離れたことで少しずつ客観的に見ることが出来るようになった。
尾道の大学だったので実家通いも出来る距離だったが、両親は一人暮らしの道に進めてくれた。
その道がなければ、今の私はいない。
実家を離れたたこと、島を離れたこと、その道が私の人生に大きな可能性を与えてくれたのだ。
だから今、ものすごく島を恋しく愛おしく思う。
そして、そう思えるようになって嬉しい自分がいる。

青木めぐみ

(青木恵)

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