合併後も変らぬ体制堅持 尾道市消防団副団長・柏原勇さん (55)

尾道市消防団副団長の柏原勇さん(55)は同時に因島方面隊の隊長でもあり、合併前の因島市最後の消防団長であった。

柏原勇さん

今年の4月1日をもって因島市消防団は、因島方面隊(土生、田熊、三庄、因島)、因島北方面隊(中庄、大浜、重井)、生口方面隊の3隊に再編された。生口方面隊は瀬戸田と東生口が合流した。

合併によって編入された因島・生口島地域の住民の消防団に向けられる視線が厳しくなっている。柏原さんはそれに対して、「因島市消防署はなくなったけれど従来の体制のレベルを堅持して消防と防災に励んでいる」と強調する。全国でも珍しい女性だけで結成された「因島分団」の活動にも注目してほしいと語る。

因島と生口島の消防団は連続した山林火災への消火活動を通して団結心と技能を形成してきた。柏原さんにとって忘れられないのは平成5年の因島市奥山山林火災であったという。

当時中庄分団長であった柏原さんは、土生町の変電所側を守れという指示のもとに、重井分団とあわせて160人の部隊の指揮をとった。

父親の「消防団に誘われるということは信頼されているということだ。断ってはいかん」という言葉に従って年間務めてきた。日立造船勤務。支えてくれた妻順子さんに感謝する。趣味は旅行。

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