瀬戸田町垂水にある瀬戸田しまなみユースホステル（大本城基館長）で井戸水からラドンが湧き、海辺の温泉をめざした整備がはじまっている。

大本さんが飲み水や風呂水に使うため庭に井戸を掘ったのは、2年前。その水で沸かした風呂に入ったお客さんから「体にこたえ方がちがう。ポカポカする」という声がでたり、「どうも普通の水じゃない」との反応に押されて、水質鑑定をしてもらったところ、温泉基準を上回るラドンが検出された。

ラドンは、高血圧、リュウマチ性疾患、更年期障害火傷、慢性湿疹などに効用がある。

自然味あふれるおもてなし願う

「木造船を浴槽にして、満天の星を眺めながらお湯につかってもらいたい」との夢とアイディアがうかんだ。現在、県や保健所に温泉として使用許可を申請中で、許可がおりしだい今秋にも温泉びらきをしたいと願っている。

大本さんのユースホステル創業は30年前。それ以来敷地内に私設の美術館や和弓道場などをつくり、施設全体を瀬戸田ゲストハウスとよんでいる。

広島県のユースホステル協会会長などをつとめ、旅の情報誌JUNYU（巡遊）を毎年発行し、瀬戸内の魅力を全国にアピールしてきた。

大本さんの地元瀬戸田町への思い入れは強い。「お客さんは、自然のよさを求めて瀬戸田にやってきている」と語り、自然味あふれるおもてなしを心がけているという。

傍若無人に海上を走りまわる水上バイクを見る大本さんの胸中は複雑だ。静けさを求めて合宿にきていた大学のゼミのお客さんなどもその騒音に驚き、離れていった。

訪れるお客さんが、しまなみの島々の本来のよさに魅せられ、毎年のように繰り返しやってくる、そうした瀬戸田をめざしたいと、大本さんは、語気をつよめた。

瀬戸田しまなみユースホステル（現・瀬戸田垂水温泉）
瀬戸田町垂水58番地
☎08452-7-3137

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