75歳老人のフーテン 東北の旅【11】

9月8日(日)⑥

そうこうしながら車は進んでいくと国道6号に入る。さすが幹線道路、車が増えてくる。すると運転手がここらから帰還困難地域に入りますという=写真。今までの景観と変化はない。すでに国道沿いの民家には生活感はなく雑草・雑木が繁茂している。空き家であることは一目でわかる。ところが全国ネットの路面店が集まるところには、高く目立つ看板がありながら立派な店舗はガラスが割れ埃まみれ、大きな駐車場の周りは草が生え放題。やっときたなという感じである。そして脇道はほとんどバリケードがあり入れない。なかにはガードマンが立っている脇道もある。遥かかなたに第一原発の赤白のクレーンが林立するのが見える。進入路は数人のガードマンで厳しく管理されている。そうした景観が単調にどこまでも続く。注目すべきは放射能の線量計がところどころに高く電光表示されている。昔から言うと線量は随分下がりましたと言う。

最初原発街道を表から裏まで走ってもらうつもりでいたが、ポイントになる所は進入禁止ばかりである。これにはまいった。

そしてこの道路の通行は車だけでバイクでの通行は許可されていないという。風を切って外気が体に直接当たるのは線量の影響で許されないのだろう。そうこうする間にいわゆる国道6号の原発街道を完走して南相馬市入ってしまった。ここで折り返すことにする。帰還困難地域でも帰還されている人たちが何人かいるという。いかに政府・行政でも個人の自由にそこまでは立ち入れないようだ。ある程度まで線量が落ち着くと、放射能は目に見えないから恐怖感は薄いのであろう。そして放射能に鈍感な高齢者には住み慣れたところが恋しいのであろう。

(田中伸幸・因島田熊町)

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