因島にて…Ⅱ 地域から見えるもの【4】地震学者の警鐘(2)

 石橋公述人(石橋克彦・神戸大名誉教授=地震学)は、日本列島の大地震の起こり方には、活動期と静穏期というのが認められるとしたうえで、優れた地震学者ならではの時代認識を提示する。

―非常に重要なことは、敗戦後の目覚しい復興、それに引き続きます高度経済成長、さらには、人類史上まれに見る技術革新の波に乗って都市が非常に利便性を高めた、高度に集中した都市が発展した、それで日本の現在の繁栄がつくられたという、これは、たまたまめぐり合わせた日本列島の大地震活動の静穏期に合致していた、ということであります。

 つまり、大地震に洗礼されることなく現代日本の国土や社会というのはでき上がっているのでありまして、基本的に地震に脆弱な面を持っております。
 つづいて石橋公述人は、「現在、日本列島はほぼ全域で大地震の活動期に入りつつある」とし、「ということは、非常に複雑高度に文明化された国土と社会が、言ってみれば人類史上初めて大地震に襲われる、そういうことであります」と断言する。
 近未来の日本列島の地震情勢について、次のように公述した。

―駿河湾から御前崎沖、遠州灘あたりの非常に広い範囲の地下ですぐ起こってもおかしくないと思われているのが東海巨大地震であります。その西、熊野灘では東南海地震、それから、紀伊水道・四国沖では南海地震という巨大地震が、もうそろそろ射程距離に入ってきた。

―場合によりますと、すぐ起きてもおかしくないと思われている東海地震が少し先送りされて、つまり大地が頑張ってしまってすぐには起こらないで、東南海地震と一緒に、一八五四年に安政東海地震という非常な巨大地震がありましたが、そういうものが起こるかもしれない。その場合には、引き続いて南海地震が起こるかもしれない。

―一方、首都圏に目を移しますと、首都圏直下の大地震は、これはマグニチュード七クラスの大地震と思われていますが、これは幾つか地下の候補地がありまして、これもいつ起こっても不思議ではないと考えられております。

 石橋公述人は、巨大な東海地震が起こると、広域複合大震災になると予想する。まず、同時多発で都市型の震災が起こる。その範囲は広く、静岡県の沼津、三島あたりから三重県の尾鷲までの各都市に及ぶという。それと同時に山地でも山地災害が起き、内陸、甲府盆地、諏訪湖周辺、場合によっては北陸までもが、激しい災害に見舞われると推測する。
 さらに、大津波が房総半島から尾鷲のあたりまでの範囲を襲う。「特に、相模湾から尾鷲のあたりまでは非常な大津波で、海岸の地形や何かによっては、あのインド洋の大津波に匹敵するようなことが起こる場所もあるかもしれない」とする。
 長周期強震動による震災にも注意を喚起している。巨大地震が起きると、非常にゆったり大きく揺れる長周期の地震波を放出する。それが東京湾の地下構造、伊勢湾の地下構造、大阪湾の地下構造などによって、増幅されて、さらに関東平野、濃尾平野、大阪平野がゆっくりだが、非常に激しく揺れる。
 これを長周期の強震動というが、超高層ビル、大規模なオイルタンク、長大橋などに大きな影響を与える。最近の超高層ビルは制御装置で揺れを抑えていると言われているが、まだ実際の長周期強震動に洗礼されたことがなく、万全かどうかわからないという。最後に石橋公述人は、最悪のケースとして「原発震災」を想定する。
(青木忠)

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