碁打ち探訪今昔四方山話【13】日本棋院囲碁殿堂資料館と徳川宗家一八代当主(4)

世が世であれば、お言葉も交わせられない徳川将軍さまや島根県大田市の長者、十三世山崎様(碁聖道策の子孫)と談笑しているところへやって来たのが囲碁界で人気上昇中の張栩(ちょうしょう)名人(24)と小林泉美(いずみ)女流名人夫婦。まだあどけなさが残っている日本を代表する名人ご夫妻を囲んでの記念撮影のあとのこと。泉美さんが私のそばに来られ「私たちも因島に呼んで下さいよ」と、はにかみながら小声でささやかれた。十段戦での小林光一との父娘対局などで話題性の高い泉美さんの願いとあれば有り難い話。「さっそく帰って日本棋院因島支部長へ伝えておきましょう」と、即答しました。すると、念を押すように張さんが「プライベートでもいいので私も一緒にですよ」と、ダメ押しされました。

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その足で棋院関係者に相談を持ちかけたところ「それはダメでしょう」と、味気ない返事。7大タイトルを総なめにする勢いの張さんのことですからプライベートなスケジュールは組めない。それに加え泉美さんは張さんのタイトル戦だけでなく本人のタイトル戦も控えています。特に主人張さんのタイトル戦中は神経もピリピリ。今はそんなときではない―と門前払いでした。このことを帰郷して村上栄昭因島支部長に話したところ、かつて本因坊秀策杯に招致したことがあったがタイトル戦のスケジュール上キャンセルされたことがあったそうだ。

なぜ、張夫妻が因島にこだわるのか―といえば

  1. 本因坊秀策の出身地である
  2. 囲碁を「市技」に制定したまちづくり

―の2点があげられます。夫妻の父にあたる小林光一さんをはじめ多くの棋士が秀策の生地を訪れ、なにかと話題になることがあるが、その話題に輪に加われないもどかしさがあるらしい。それほど秀策の跡目のまま若くして没したが碁聖と慕われる力をそなえていることを認めざるを得ないのでしょう。張さんが黒先番に強いのも秀策に棋風が似ているという風評もあり、このときの約束が果たされていないのが心残りです。

写真は右から第29期張名人▽第16期女流小林泉美名人▽寂光寺住職大川定信▽碁聖閣副館長村上幹郎▽徳川家十八代恒孝の各氏。2004年11月15日日本棋院殿堂資料館で。

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