近くなった山陰の見どころ

掲載号 15年02月21日号

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国鉄山陰線の下り出雲駅を過ぎ「いそたけ駅」に着くと、高校生たちがどやどやと乗ってきた。車内は出雲弁に幕が下りたように石見(いわみ)弁に変った。広島弁にイントネーションが似ている。石見銀山輸送道路尾道線や浜田城主の参勤交代で利用した交通網の名残りという説がある。

鉄器文化のタタラ製鉄時代にさかのぼると、言語の散布図が違ってくる。それを伝える「神楽(かぐら)」となると、神代神楽の中で中国山地の村落を越えて伝承されてきた石見神楽が主流。これが広島県東部山間部は出雲神楽が古式にのっとり奉納されている重文指定の比婆東城神楽があげられるだろう。

ヤマタのオロチ退治をクライマックスとする石見神楽。大黒さまの国譲りでおだやかに幕をとじる出雲神楽。いずれもファンの評価はそれぞれだ。見る物といえば出雲大社。近年になって日本一高い神柱の出土、銅たく、銅剣など。ラフカディヨ・ハーン(小泉八雲)ならでは目にウロコな話題山積。

漁業では鳥取の境港が近くなった。

(村上幹郎)

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