鯖大師の寒修行 般若心経 夜空に木霊

掲載号 15年01月10日号

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8日夜、冷たい風がローソクの灯をたたく因島土生町、天狗山中腹の鯖(さば)大師堂境内は老若男女の唱える般若心経が木霊(こだま)した。

この鯖大師=写真右の堂の中と弘法大師像左は因島総合病院前の長下区の裏まちに建立されていたものを昭和52年5月、所有者の了解を得て市民有志の手で因島公園(天狗山)に移転。「島四国八十八霊場」の番外地としてお参りする人や世話をする信者が後をたたなかった。

ところが世の中は少子高齢化が進み、お接待など世話をする人が少なくなってきた。

今となっては日本中で有数の大きさを誇る弘法大師像と小さなお堂の中に安置される鯖大師の石仏。信者は識別しているが一般市民や観光客の目にとまる大師の強い像がイメージに焼きつき、化身である鯖大師像のご利益が軽んじられ、年をとってもお参り出来る町中へもどしてほしい―という声が出るしまつ。

創建者の故村井才吉さんは子孫を戒め世の中の安穏を願っての建立だったと聞く。その心を継ぐ人達も少なくなるのが心配だ。鯖大師の解説を石ぶみに刻んだ因島田熊町浄土寺出身で京都・醍醐寺の座主に登りつめた故麻生文雄さんの考えも一考の余地がありそうだ。

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