今話題の村上水軍 今井豊さんに聞く(村上水軍研究家)

掲載号 14年08月30日号

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和田竜さんの「村上海賊の娘」が本屋大賞を受賞するなど、今話題を集めている村上水軍。因島外浦町在住の村上水軍研究家である今井豊さんに話を聞いた。

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8月15日、因島高校同窓会で「村上水軍について」講演。150名の同窓生が熱心に聞き入った。

―いつから研究をはじめたのか。

もともと地理や歴史が好きで、人物と歴史について勉強してきた。15年前に因島文化財保護委員になったことをきっかけに村上水軍の研究を本格的に始めた。

―何がテーマなのか。

単なる海賊にすぎなかったのが、瀬戸内海における最大最強の水軍に成長していった歴史を調べることが第一のテーマです。
第二は、水軍の兵法書の研究です。
第三は、村上水軍をテーマに小説を書くことです。

―今なぜ水軍なのか。

やはり和田竜さんの「村上海賊の娘」のヒットですね。因島水軍城の見学者が増加するなど関心が高まっています。
水軍としてまとまって長期間戦いつづけたユニークさと突然なくなったことの謎にロマンを感じているのではないか、と思います。

―改めて村上水軍とは

生活の困窮のなかから生まれた。水先案内人、操船熟練者であることを生かして組織されていった。
伝えたい功績は次の三点です。①造船技術の先駆けとなった②海運事業の礎を築いた③兵法書、法楽連歌などの文化的貢献です。

―今強調したいことは

増加している水軍城見学者にいかに解りやすい説明を行なえるかが大きな課題になっています。
先日、行政、観光協会、中庄自然を愛する会の三者で勉強会を行なった。解りやすいガイドでおもてなしをしていきたい。


今井豊さん BSイレブン歴史番組に登場

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村上水軍研究家・今井豊さんが20日、因島水軍城でBS11放送局のテレビ取材を受けた。番組名は「とことん歴史紀行」―「村上水軍 知られざる海賊集団の姿に迫る 瀬戸内」。
放送時間は9月19日(月)午後8時~同9時。BS放送の11チャンネル。

因島水軍城30周年記念特別展「村上水軍大集結」

因島水軍城30周年記念特別展「村上水軍大集結」が開催中である。
前期は10月8日まで。後期は10月10日~1月7日。午前9時30分~午後5時。毎週木曜と12月29日~1月1日休館。TEL0845-24-0936。
三島村上氏ゆかりの資料を因島では初めて一堂に展示する。和田竜さんの小説「村上海賊の娘」のゲラ刷り資料も展示している。

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